フリッツ・ハンセン日本支社代表 マーティン・ゴーディアン氏 Interview

マーティン・ゴーディアン氏

青山本店を理想型にして

フリッツ・ハンセン青山本店(東京都港区北青山3―10―11)が5月11日にオープンした。家庭的で居心地がいいライフスタイルを提案し、小売ルートの深耕にさらに力を注ぐ。同店開設の狙い、全体の事業戦略での位置づけなどを、フリッツ・ハンセン日本支社のマーティン・ゴーディアン代表に聞いた。

――フリッツ・ハンセン青山本店の開設の経緯、狙いは。

ゴーディアン 昨年開催のミラノ・サローネで当社は、ショールームを設けてフリッツ・ハンセンの家具をシーン別にコーディネートし、家庭的で居心地のいい雰囲気を演出したところ、来場者に大いに好評を博しました。あたかも居住者がいるように、細部に至るまでコーディネートを徹底させたからです。
この思想、方法をこれからのフリッツ・ハンセンのショップに取り入れていこう、と当社は考えました。
ミラノで展開したことを、シーンでアイテムを見せるコーディネートによるライフスタイル提案ショップに組み替えていく。椅子1脚単体ではなく、お客様に部屋づくりのインスピレーションを与えられるライフスタイルを提案します。

家具インテリア市場はここ数年間で流れが変わってきました。有名ブランド家具を室内に置く。
アイコンのような家具を揃えて部屋のムード作りをしていくのではなく、トータルコーディネートでライフスタイルを創造していく。そういう生活者が増えてきました。改めてデザインとは何かを考え直す時がきていると思います。
ライフスタイルを提案するため、この4月に発売した、アクセサリー小物コレクションの「オブジェクツ」をラインナップに加えて空間づくりのエレメントを充実させました。

フリッツ・ハンセン日本支社代表 マーティン・ゴーディアン氏

――青山本店は、アジア初の直営店かつ旗艦店の役割を果たす。また今回の開設では小売販売に力を注ぐということですね。

ゴーディアン 青山本店のコンセプトとは、家庭的で居心地がいい、寛ぎを感じられる空間でライフスタイルを提案することです。ミラノ・サローネで示した室内空間をショップに落とし込むため、VMD(ヴィジュアルマーチャンダイジング)を研究し、直営店のコンセプトに練り直しました。その直営店をモデルにし、ショップ・イン・ショップで小売ルートを深耕していきます。
現在、日本市場での総売上高に占めるルート割合は小売40%、コントラクト60%ですが、この比率は維持しつつ、両方とも売上げを伸ばしたいと考えています。特に小売ル―トは青山本店を旗艦店にし、売り場づくり、展示方法、イベントなどを参考にしてもらい、パートナーショップに提案していきます。
したがって、青山本店がフリッツ・ハンセンのショップの理想型になれるように、ショップとして成功する。これが必要になってきます。
青山本店はショーケースになるので、これがフリッツ・ハンセンの理想的なショップであることをお客様に見せることになるのですが、そのことがショップ・イン・ショップを、まだ展開できていない地域でのセールス拡大につながると思います。

――小売ルート拡大のためのリテールチームはどう動きますか。

ゴーディアン 青山本店開設を機に、リテールチームを改組したのですが、ショップ・イン・ショップの展開は海外の有名ブランドの中では、先鞭をつけてきたと自負しています。
このような方法も進化させていかなければなりません。現在は十数年前にやった方法と同じ方法では通用しません。シェアを維持しつつ拡大していく。
数年前、小売ルートの拡大に力を注ぎ、シェアを拡大できました。これが第1弾とすれば、今回はその第2弾といえます。既存ルートを拡大し旗艦店の内容に近いものに持っていく必要があります。そして新しい地域を開拓していきます。

――ショップ・イン・ショップの拡大目標は。

ゴーディアン 毎年、4、5店舗は増やしたいと考えています。ショップインショップはロゴを用い、最新の展示、魅力あるブランディングを行っている。
しかし、フリッツ・ハンセンとしては、当社が生み出したVMDを基に、お客様にアピールしてくれる店舗を重視します。セブンチェアだけの品揃えではアピールの度合いが少ないからです。
その意味で、フリッツ・ハンセンのブランドストーリーをお客様に語れるショップ・イン・ショップを求めるのです。

――ありがとうございました。
(聞き手 前屋敷稔)

フリッツ・ハンセン 公式ウェブサイト

フリッツ・ハンセン 青山本店[地図]


この記事は紙面の一部を抜粋しています

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