2016飛騨の家具フェスティバル開催

2016飛騨の家具フェスティバル開催

世界へ“飛騨の家具”の発信地に

「2016飛騨の家具フェスティバル」が9月7日〜11日の5日間、飛騨・世界生活文化センター(岐阜県高山市)で開催された。主催は、協同組合飛騨木工連合会と同実行委員会。

今回展のテーマは「永続性」。これには、▽モノづくりの自己啓発や精神のよりどころになっている1998年制定の飛騨デザイン憲章「自然との共生第1条」「人がつくる第2条」「心の豊かさ第3条」「伝統を生かす第4条」を「永続的」に使い続け、作り続けるデザインを目指すこと▽長い間作り続けられ、使い続けられているモノは、とても美しい形をし、そこには気概と誇りを持ってモノを生み出す職人の技が形となっていること――以上2つの意味がある。飛騨・高山は1,300年前の奈良時代から椅子の生産が行われてきたとされているが、そうした過去を振り返りながら、これからのモノづくりを行っていくかを考える機会になればと同会の高田秀樹専務理事。

歴代のグッドデザイン賞受賞製品
歴代のグッドデザイン賞受賞製品

主たる会場となるコンベンションホールでは、恒例の新作家具展をはじめ、特別企画も開催された。このうち、会場を入ってすぐ正面には、飛騨・高山で生産された家具のうち、1966年から前年までに経済産業省主催のグッドデザイン賞を受賞した製品が展示された。椅子やおもちゃの馬など、その高いデザイン性に魅了され、足を止める来場者も多かった。

また、その奥では「匠・DNA展」の作品展示がなされた。これは、同会及び岐阜県木工デザイン協会に所属する、主に若手の人材育成を目的に、当該の個人やグループが新たなアイデアを生み出して創作した作品をコンペ形式で実施するデザイン展。「永続性」をテーマに、人々の身近に長く存在し続けるよう、自由な発想で創造した作品を展示した。出展作品44点のうち、審査基準に沿って、1席1点、2席2点、3席2点、入賞10点という賞がそれぞれ授与された。このうち1席を受賞したのは、飛騨産業・永堀健志氏製作の「切れ端テーブル」。その名の通り、テーブルを製造するときに発生する端材を有効活用したもの。限りある資源を「もったいない」の精神で有効活用することが木工を永続させていくために必要だと考え、製作に至ったという。多様な形をしている端材を組み合わせることで、一つとして同じもののないオリジナルの作品が出来上がり、天板中央の欠き取り部分にはガラスやファブリックパネルをはめ込んだり、写真や絵を飾ることができる点が、大きな特徴だ。2席は、同じく加藤誘基氏・吉家謙太氏による「いす。」と、田中陽氏(いずれも飛騨産業)による「ロッキングチェア」がそれぞれ受賞。前者は永続性というテーマから飽きのこないシンプルなデザインを採用したこと、後者はペーパーコード張りの座面や背を、経年に応じて張り替えることができるのが特徴だ。

切れ端テーブル
切れ端テーブル

飛騨の匠の歴史と家具の変遷を紹介

また、併設するミュージアム飛騨は、「飛騨の匠の技・こころ」が今年の4月に日本遺産に認定されたことに伴い、飛騨の匠ミュージアムに名称変更。今年開催された伊勢志摩サミットで飛騨産業が納品し反響を呼んだ会議セットをはじめ、飛騨の家具メーカーが製作した数々の椅子を展示し、飛騨の匠の歴史や家具の変遷を、紹介した。

このほか、地元住民参加型の展示も行われた。「第3回飛騨の家具絵画コンクール」では、地元の小学生による「あったらいいな、こんなイス」をテーマとした絵画を展示。優秀賞に輝いた絵画の椅子は実際に職人の手によって作られた。また、「飛騨高山つくり手の会」は、飛騨在住のクラフト作家による木工や陶芸などを展示した。


この記事は紙面の一部を抜粋しています

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