乳幼児の就寝中の窒息死5年間に160件/大人用寝具使用に警報《消費者庁調査》

寝装ジャーナル紙面より

消費者庁はこのほど、2014年までの5年間に0歳児の子供が就寝中に窒息死した事故が160件に上ったとの調査結果を発表した。うつぶせ寝や大人用の寝具に寝かせるなどを原因とした事故が目立っていることが明らかになった。同庁は子供用の寝具を使用して、あおむけで寝かせることの重要性を呼び掛けている。


ベビーベッド利用は必須枕、敷ふとんは固いものを

同調査結果は、消費者庁が厚生労働省の「人口動態調査」の死亡調査票を入手し、はじめて分析したことで明らかになったもの。2014年までの5年間で、0歳児の子供が不慮の事故で死亡したのは502件にも上り、そのうち窒息死は404件。就寝時の窒息死事故は窒息死全体の3割となる160件と最多であった。

就寝時の窒息死事故の発生件数
就寝時の窒息死事故の発生件数

その他の事故死原因では、ミルクなど胃内容物の誤嚥(113件)▽食物の誤嚥(49件)▽その他、食物以外の誤嚥(19件)――の順で多く、窒息以外では、交通事故(29件)や溺死(23件)が多かった。

同庁は、窒息事故の中で就寝中の窒息死が160件と最も多かったことから、詳細な原因も公表している。

事故の状況 件数
顔がマットレスなどに埋まる 33件
掛け布団等の寝具が顔を覆う・首に巻き付く 17件
ベッドと壁の隙間などに挟まれる 13件
ベッドからの転落に起因する窒息 7件
家族の身体の一部で圧迫される 5件
ベッドの上の衣類やクッション等で顔を覆われる 4件
その他、詳細不明 81件
160件

最多の原因は、顔がマットレスなどに埋まる事故で33件。その他には、掛けふとんなどの寝具が顔を覆ったり、首に巻き付いたりする(17件)▽ベッドと壁の隙間などに挟まれる(13件)▽ベッドから転落に起因する窒息(7件)▽家族の身体の一部に圧迫される(5件)▽ベッド上の衣類やクッションなどで顔を覆われる(4件)――の順で多く、残りの81件は原因を特定できていない。

以上の結果を受け、同庁は「0歳児に多い就寝時の窒息事故のリスク低減のためには、首すわり、寝返り、お座りといった発達状態に応じた特徴に配慮した寝具の利用や就寝の仕方に注意が必要」とし、ベビーベッドを使用することや、顔が埋もれない固い敷きふとんや枕、子供が払いのけやすい軽い掛けふとんを使うこと、あおむけに寝かせることなどを呼びかけている。

同庁が呼びかける具体的な注意ポイントは、①大人用ベッドではなく、できるだけベビーベッドに寝かせ、転落しないように柵は常に上げておく、②子供用の軽い掛けふとんを使用し、敷き布団やマットレス、枕は子供用の固めのものを使用、③寝ている子供の顔の近くに、口や鼻を覆ったり、首に巻き付いてしまったりする物は置かない、④寝室には、子供の頭や顔が挟まってしまう隙間をなくす、⑤1歳になるまでは、あお向けに寝かせる、⑥添い寝をしたまま寝込んでしまい、保護者の身体の一部で子供を圧迫してしまわないよう注意する――の6点。

なお、国内のベビーベットの安全基準について、「ベビーベッドは、国が定めた安全基準に適合していることを示す表示、『PSCマーク』を付した製品でなければ、国内で販売できない。ベビーベッドを購入する際は、同マークの表示があるか確認してほしい」(同庁)としている。


原因不明の突然死も 防止にあおむけ寝を推奨

子供が事故や窒息ではなく、原因不明で突然死亡してしまうケースがある。「乳幼児突然死症候群(SIDS)」と呼ばれ、それまで元気だった乳幼児が、事故や窒息ではなく睡眠中に突然死亡してしまう病気だ。死に至る原因が分からない病気で、窒息などの事故とは異なる。2015年度にはSIDSが96件あり、乳幼児の死亡原因の第3位となっている。

厚生労働省は、1999年から毎年11月をSIDSの対策強化月間と定め、SIDSに対する社会的関心を喚起するとともに、重点的な普及活動を実施している。同省によると、SIDSの予防方法は確率していないが、1歳になるまでは、あお向けに寝かせることにより、SIDSの発症率が低くなるという。SIDSの防止のためにも、うつぶせ寝は避け、あお向けで寝かせることが推奨されている。


この記事は紙面の一部を抜粋しています

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