ニトリHD 都心店舗の売上好調

ニトリHD 都心店舗の売上好調

既存店の改装に拍車をかける

ニトリホールディングス(東京都北区、白井俊之社長)が昨年末に発表した2016年3〜11月期連結決算は、純利益が前年同期比36%増の475億円だった(1月25日号既報)。発表時同日、会見に立った似鳥昭雄会長は、「既存店の売上げと客数を上げていきたい」とし、「既存店を銀座店や新宿店のような雰囲気の店舗に改装することを視野に入れている」と述べた。主なやり取りは次の通り。


――消費動向が、物販中心の「モノ消費」から、コンサートや映画を楽しむといった「コト消費」に移っていると言われているが、コト消費を観点にビジネスを考えているか。

似鳥 コト消費に関するビジネスは、現状は考えていない。モノ消費が減少しているということは、至るところにモノが余っている状況ということだろう。そういった現実を念頭に置きながら、当社は新商品を開発している。

今までにない機能の開発や、コーディネートの提案などを進めているが、それができる会社とできない会社との格差が、今まで以上に広がっていくだろう。2017、18年も極端に景気が悪くなることはないと思うが、格差の時代で生き残るために、商品開発をどんどん進め、既存店の売上げと客数を上げていきたい。

消費増税が予定されている2019年、東京五輪が開催される2020年ぐらいを境に、消費が悪くなる時代が来るかもしれない。それに備え、今、力をつけていく必要がある。

似鳥昭雄会長
似鳥昭雄会長

――商品開発やコーディネートに関して、新しい発想を生むために必要なことは。

似鳥 私も先頭に立って、商品開発に携わっているが、市場調査をし、「不平」「不満」「不便」は、何かと探すことが重要だと常々感じている。そこから、今までにないモノを見つけ、つくっていく。もっと便利で、もっと効率がよく、もっと使いやすいモノはつくれないかと考え、発想する。そして、もっと安くすることはできないかと。常にそういったことを社員一同と考え、商品開発に取り組むようにしている。

新商品のヒントを得るための方法の一つとし、同業者の店の巡回が挙げられるが、デパートから小さな店まで、ありとあらゆるところを見るようにし、市場を把握するようにしている。また、海外研修にも力を入れている。2016年はアメリカに900名行き、2017年はヨーロッパの国々に1,200名行く予定だ。時間をかけて、世界中で調査、研究などを繰り返す。地味なことではあるが、地味なことの繰り返しにより、新しいモノが生まれると考えている。

昨年12月にオープンしたニトリ新宿タカシマヤタイムズスクエア店
昨年12月にオープンしたニトリ新宿タカシマヤタイムズスクエア店

――都心の店舗が好調だが、以前から都心進出への想いはあったか。

似鳥 10年ほど前から、都心のお客様より「ニトリが近くにない」と言われ続けており、年々都心進出への想いは強まっていた。非常に焦っていた時期もあり、ようやく店舗をつくれたという気持ちがある。

ただ、都心は家賃が高いので、不安も感じていた。しかし、2015年にオープンした、プランタン銀座店が目標より50%以上売れ、自信がついた。「女性が足を運びたくなる店」といった観点で店舗づくりをしたが、奏効したと感じている。この成功をきっかけに様々な百貨店から声がかかるようになった。

2016年12月にオープンした、新宿タカシマヤタイムズスクエア店は今の推移から見ていくと、坪あたりの年間売上げが600万円ほどになる。全店舗の平均が90万円ほどなので、6倍以上売れていることになる。新宿店は、平日が1万500人、土日が2万5,000人ほど来店いただいている。これにより、新宿タカシマヤの来客数も15%ほど増えたと聞いている。

そういった中で、既存店を銀座店や新宿店のような雰囲気の店舗に改装することを視野に入れている。現状で、20店舗ほど改装を手がけているが、400店舗以上あるので、単純に計算すると20年近くかかってしまう。改装を手がけるチームが10チームあるが、急ぐためにも、まずは倍の20チームほどに増やしたいと考えている。店舗の内装や、見せ方を変えることで同じ商品でも売上げが伸びることは経験からも分かっているので、如何にして古い店舗を改装していくかが、今後の大きな課題の一つだ。


この記事は紙面の一部を抜粋しています

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