第49回大川家具新春展開く I

第49回大川家具新春展開く I

東アジアから9社22人のバイヤー集団招致

「第49回大川家具新春展」は1月11日と12日、3つの会場――大川産業会館、大川家具工業団地協同組合(Uゾーン)、協同組合インテリアポート・エルバーレで開催された。主催は協同組合福岡・大川家具工業会。2016年に大川家具工業会と福岡家具工業組合が合併し、新組織の福岡・大川家具工業会が発足し初めての新春展として、出展企業の出展内容は力の入ったものとなった。

また、同工業会は、販路を国内外で拡大する方針の下、新春展では東アジアからバイヤーを招致し、大川産地の家具を世界に向けて発信した。出展企業は3つの会場を合わせて200社超だった。来場者は主催者によれば、会期中、1,526社・2,562人が訪れた(前回は1,539社・2,619人)。

主な出展企業の出品動向などを見ていく。

シギヤマ家具工業(福岡県筑後市、鴫山国廣社長)は、岩倉榮利氏がデザインし、発売以来、好調な売れ行きを示している「シティ」と「グリーン」の新型「ニューシティ」と「ニューグリーン」をアピールした。グリーンは「自然と寄り添うライフスタイル」の提案を、シティは「シンプル・イズ・ベター」を基本コンセプトにしている。

素材にはウォルナットとナラを使い、自然塗料を使うとともに、白色を入れ独特な仕上げとしている。ニューシティは、重厚感ある本革とムク材を使ったソファで、張り地の色を豊富にした。

シギヤマ家具工業の新作
シギヤマ家具工業の新作
松田家具の「レガート」
松田家具の「レガート」

松田家具(福岡県大川市、松田洋一社長)は「レガート」や「ハーモニー」「ボルト」「タワー」などをアピールした。

レガートは、食器棚やテレビボード、デスク、さらには服吊りタイプも組み合わせできる。食器棚は上置きが10cm刻みで幅1,500mmまで可能。前板は50色まで揃える。食器棚の戸には強度がガラスの10倍ある「ポリプレート」を採用した。割れにくく、重さはガラスの半分以下で戸の開閉がよりスムーズ。アクリルに比べて吸水率が低いので、水周りに最適などの特徴を持つ。

ハーモニーは、戸にポリプレートを使うとともに、上置き1cm刻みで高さ2mまで対応できる。収納は動きが軽いスライド扉を使用している。

タワーは高さ2,350mmの食器棚で、引き戸は半透明のポリプレートを、引き出しにはヘティヒ社クアドロレールを使用し、使い勝手がいい。

イトウ(大分県日田市、伊藤重信社長)は、「デイタイム」と「スタイル」を新作の目玉として押し出した。家具市場が低迷する中で、特徴を際立たせるデザインではなく、よりスタンダード寄りで飽きずに長く使えるデザインとした。従来の無垢材を使った和風調とは異なる趣きだ。

デザインはシンプルで値頃感がある。素材はホワイトオークとレッドオーク。スタイルはブライダル需要を狙う。

鹿田産業(福岡県八女郡広川町、鹿田和正社長)は、すだれパーテーションと、座椅子、ラタンの敷物、楠を使ったセンターテーブルで和のトータルコーディネートを提案した。

すだれパーテーションは高さが調整可能で、アジャスターで立てるようになっている。座椅子はマナウ籐を使用した高級ラタン家具。敷物はセガ籐皮を使っている。

イトウの新作、「デイタイム」
イトウの新作、「デイタイム」
すだれパーテーションと、座椅子、ラタンの敷物、楠を使ったセンター テーブルで和のトータルコーディネートを提案(鹿田産業)
すだれパーテーションと、座椅子、ラタンの敷物、楠を使ったセンター
テーブルで和のトータルコーディネートを提案(鹿田産業)

ソファで新機軸示す

また新作として回転座椅子を発表した。多くの座椅子が固定式で、上体を動かせないため体への負担が大きい点を改善し、動かせる構造とした点に特徴がある。

和空間にあうロッキングチェアを目標に開発した。上体を前後にゆらゆらできる。360度回転する座面に加え、立ち上がりやすい肘つき仕様にした。

イエローポプラの木目を、落ち着いたダークブラウンのカラーリングで民芸調のデザインとした。

シキファニチア(福岡県朝倉市、志岐秀明社長)は、「ノース」ブランドとしてソファに挑戦した。同社は椅子の専門メーカーとして、無垢材を削り出した曲線と直線を巧みに駆使する技術に定評がある。

今回挑戦したソファは流線形を使ったデザインに特徴があるが、特に肘部の3次元加工の削り出しの精巧さが際立つ。

座面には、プラスベルトを1本ずつつけていく。そうすることでベルトが緩みにくくなり、へたりにくくなるという。

シキファニチアの新作ソファ
シキファニチアの新作ソファ
木部の肘は3次元加工
木部の肘は3次元加工

東アジアからバイヤー集団来場大川の家具の販路拡大へ

「大川家具新春展」に東アジアからバイヤー集団が訪れた。主催の福岡・大川家具工業会が招致したもので、同工業会が事業の重要な柱として位置付けている販路拡大の一環となった。

東アジアからのバイヤー集団との懇親会の模様
東アジアからのバイヤー集団との懇親会の模様

大川展に海外からバイヤー集団が訪れるのは初めてで、松田洋一理事長は「国際委員会を中心に以前から、進めてきた。来場したバイヤー集団から数社が気にいった製品があったというし、成果があった。今後も東アジアからのバイヤー集団招致には大いに力を入れていく」と話している。また、今回の東アジアのバイヤー集団の招致に関連し、大川の運輸会社と佐川急便が連携し物流システムをさらに高度化できたという。

東アジアからのバイヤー集団は9社22人(案内役を含む)。フィリピンから6人、シンガポールから3人、香港から10人、台湾から3人となっている。


この記事は紙面の一部を抜粋しています

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