国産材家具の可能性を追う4

日本の木を価値あるものに

来たるべき国産材時代に向けて

ヒノキなどの国産材学習机で、業界に一分野を築き上げたキシル(静岡県浜松市、渥美慎太郎社長)。会社設立当初から国産材一本で事業展開してきたが、今では自社で製材工場を持ち、原木調達から製品出荷まで一貫して行うようになった。“にほんの木を、大切にします。”をコンセプトに掲げ、国産材にこだわり続ける理由とねらいは何か、渥美社長に聞いた。

キシル・渥美慎太郎社長

同社の設立は2002年。「ヒノキの家具などは、ほとんどまだ誰も手を付けていないゼロスタートの分野で、そこに魅力を感じた」と渥美社長は話す。老舗家具メーカーと同じ土俵に立つことより、新分野の開拓を選んだ。また、各地の森林組合などを回って、国産材の問題点や悩みを聞いたこともこの決断を後押ししたという。また、自分たちの身近に良い木があるのにも関わらず、それを活用できていない現状も問題に感じた。「その問題解決をすることができれば、存在意義のある企業にすることができる」と考えたという。

国産材で家具を作ろうとしたときの最初の壁は、材料の調達難だったと振り返る。家具向けとして適切なサイズ、乾燥度の材を作るのは、建材よりはるかに手間やコストがかかり、事業効率が悪いためなかなか出してもらえないこともあった。また、家具向け材は建材と比べて量的なボリュームが少ないことも弱みだった。

そこで、“国産材に向けてまじめに取り組んでいる”ということを一般に伝えるため、期間を決めて戦略的に国や市が実施するコンテストに積極的に応募するようになる。賞を受賞することで知名度の向上をはかった。これにより、木材供給者とのつながりもできた。

キシル深川店にはヒノキやサクラの学習机が並ぶ

続きは本紙にて

この記事は紙面の一部を抜粋しています

ホームリビング/寝装ジャーナル 購読に関するお問い合わせはこちらから