通販バイヤーの視点③ フライミー 坂本如矢社長

家具はどの「箱」で買うかが重要

家具インテリアのEC化率は2割を突破した(注1)。業界内外から注目される家具のECサイト「フライミー(FLYMEe)」(https://flymee.jp)を運営する、フライミー(東京都武蔵野市、坂本如矢社長)の坂本社長は、家具とインターネット通販の親和性は高いと話す。

「昔、両親が家具店に行っても欲しいものがなく、店舗でカタログを見て家具を買っていたのを覚えている。ECが普及する前から、写真一枚で判断して家具を購入する人は多いことがわかる。広大な店舗を回って商品を比較検討するのも大変なのが実状」。

選択肢が圧倒的に多いこともインターネット通販の強みだ。現在、フライミーでは400ブランド、2万点以上の家具インテリアを掲載。坂本社長は2011年の創業以来、自らの顧客体験を元に商品選定にも深く携わってきた。

これほど多くの商品が揃うと比較検討される際に、“価格に応じた何かしらの特徴”がある商品でないとインターネット通販では厳しいと指摘。坂本社長は、オンラインでは衝動買いが少なく、比較検討して決める顧客が大半ともいい、「その商品特有の価値が訴求できないと難しい。現代の多様化するニーズに応えられるよう、どんな人がどこでどういう風に使うかを具体的な企画に落として、サイジングや意匠など、絶妙なポイントを押さえた特徴のある商品は強い」と話す。

また、一度に複数商品を購入する場合は、一つのブランドから購入する人より、複数ブランドにまたがって購入する人の方が多いという。一般消費者は家具のブランドやメーカーより、店舗やインターネットサイトといった、どこの「箱」で買うかを重視する傾向にあると坂本社長は分析。

フライミーでは、テイストや特徴別に19のサイト内ショップにセレクト商品を展開している。「セレクト商品やそれ以外も含め、フライミーで買うからこの商品は間違いないという、箱(サイト)の信用性が売り上げ、ひいては商品の価値向上につながっていっているのでは」と坂本社長。実際に、フライミーセレクトの商品の売れ行きは順調のようだ。

一方で、自社のカラーは必要以上に出すつもりはないとも話す。フライミーでは、サイト自体に色を付けるのではなく、プラットフォームとして出店ブランド・商品を際立たせていく。フライミーという箱を通して、その商品の魅力に気づいてもらえるかに主眼を置いているという。そのため、サイトのデザインも、“無色透明”をコンセプトにした至極シンプルなものだ。

また、「インターネット通販は簡単なものではない」とも言う。「とりあえずどこでも掲載すれば売れる”と安易に考えられがちだが、ネットの露出の仕方を間違うと、結局は自社のブランドや商品のイメージを損なう結果となり、売上も下がり本末転倒になる」と指摘。自社の商品やブランドに対する想いをしっかりと持っていて、ビジョンを共有できる企業・メーカーと今後さらに協業し、より多くの人に家具・インテリアの価値に気づいてもらい、業界を発展させていきたいと展望する。

「とにかく商材の規模を増やして何でも屋になるつもりはない。逆に、フライミーに出品することがブランディングになるサイトにしていきたい」と語った。

(注1)経産省「平成29年度電子商取引に関する市場調査」より(終わり 大塚)

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