2021年 新春特別インタビュー:吉田浩一 氏

吉桂代表取締役社長

吉田浩一


4つの柱で事業推進

――現在の事業状況をお聞かせください。

吉田 コロナ以前から進めてきたことですが、合同ショールーム、物流のシェア、海外販売、パートナーショップの4つの柱を軸に、事業を進めています。現在当社名古屋ショールームを様々なメーカーに部分的にお貸しすることを推進しており、お陰様で既に多数の企業に入居してもらっています。特に名古屋にショールームを持たない企業が中心ですが、各社それぞれの考えで使用してもらっており、家具店をお呼びしたり、異なる業種の方に見て頂いたりしています。

――スペースは既に埋まっていますか。

吉田 全てではありません。空きスペースに関しては現在募集中です。常設入居しているメーカーもあれば、1ヵ月など期間限定で入るメーカーもあり、その場合イベントで使ってもらったりしています。入居されている企業の中には当社とは元々取引のなかった企業もありますが、当社もイベント等で販売する機会がありますので、やがて取引が始まるケースが多いです。

――販売ルートはどのような所が多いですか。

吉田 当地区のハウスメーカーや工務店などが主体です。この地域に営業所がない企業は当社が窓口で販売させてもらうケースもあり、最近ではショールームが全体に活性化していることもあって、思いのほか当社との取引実績が増える事例が起きています。新たにショールームを単独で開設するにはまとまった投資が必要ですし、もちろん集客も行わなければなりません。当社の合同ショールームの場合、メーカーが人員配置をしなくても当社のスタッフがある程度販売代行もできます。ウィンウィンな関係を継続的に実現できればと考えております。

吉田浩一 氏

――物流のシェア事業はいかがでしょう。

吉田 物流もショールームと同じ方向性に基づいており、合同での運営を推進しております。当社の配送トラックは必ずしも常時満車で運行しているわけではないので、空いたスペースに一緒に製品を乗せませんかという物流のシェア事業を始めました。家具の物流は地域によってはその物量が段階的に減少してきている現状があり、名古屋、大阪、東京などの幹線はまだ問題無いのですが、そこから少し外れると如実に流通量が減り、販売活動に支障が出るケースが出ています。本来の需要は現在でも豊富にあるはずですので、当社の物流と効率良くマッチングさせることを計画しています。物流のシェア事業は広く支持頂けるようになれば、家具物流の効率化につながり、出荷する側、受け取る側双方のコスト削減、そして生産性の向上を実現することが可能になると考えております。

――様々な方向に展開されていますね。以前からそうだったのですか。

吉田 当社は従来型の卸販売を主体に経営を行ってきたのですが、ここ最近は様々なことをチャネルや部門に分けて運営し始めていました。タイミング的にその芽が出たころにコロナ危機が訪れたので何とか耐えられましたし、コロナ禍ではむしろこれらの合同事業が推進しやすい環境になっています。

海外事業に関しては、東日本大震災の時に日本だけが拠点であるとそのこと自体がリスクになるという危機感に突き動かされて始めました。家具の企業で海外に拠点を出している事例は多くはありません。そのためどのような手段なら進出できるのか見当もつかず、リサーチや事業計画を練るのに3年以上かかりました。方針を決めてからは一歩一歩やってきましたが、その後のアジア各国の政治的動乱や経済成長の鈍化そして、今回のコロナなど、もう一歩遅れていたら進出は困難だったと考えます。

他社と助け合い相乗効果

――まず東南アジアから始めたのはなぜですか。

吉田 タイで生産している「source」ブランドを海外で販売することを当初から構想していたので、どのように展開するか考えた末にまずはタイでの販売を開始しました。2014年の話です。スタート当初からクーデターや非常事態宣言に見舞われ、苦難の連続でしたが、やがてはタイからシンガポール及び香港への輸出が始まりました。そして更に製品及びsourceの空間を体験できる場が必要になり、バンコク市内にsource store Bangkok を開設することになりました。今後はこのタイを拠点に更なる海外展開、新たな事業などを行っていく計画です。

また、日本国内販売店とはsourceパートナーショップという事業を通じて協力関係を築いていきたいと考えております。sourceパートナーショップの事業は、業種や規模を問わず、家具ブランド「source」を一緒に盛り上げて下さる家具・インテリア販売の店舗を募り、家具の販売を通じてお互いのビジネスが向上する関係作りを目指すパートナー事業です。パートナーショップ、工場、吉桂が三位一体となってお客様(エンドユーザー)に暮らしを提案していく事業です。店作りのノウハウをお伝えすることはもちろん、今年リリース予定のsource ONLINE shop を販売店と共に活用することを計画しています。販売店においては自店における接客を中心に活動していただければ、配送や決済なども当社に委託頂けるシステムを構築します。パートナーショップにおいては地元地域だけが販売エリアではなく、日本中が販路に変わります。長く育てていくブランドですので本当にsourceに魅力を感じて下さる販売店と協力していきたいと考えております。

それぞれの事業の柱は密接に関連しており、相乗効果を生み出せるようになれば、関わって下さる企業の皆さんの本当にお役に立てるのではないかと思います。自分の使命と思って行動していきます。

吉田浩一 氏

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