台湾発の寝具ブランド「SLEEPY TOFU」を展開するSleepy Tofu Japan(東京都港区、張育豪代表)は2025年5月9日(金)に、東京都港区南青山に同ブランドとして日本初となる旗艦店「SLEEPY TOFU HOUSE」をオープンした。

台湾において2018年に誕生した同ブランドは、当初クラウドファンディングにより展開を開始、以来台湾でECサイトを中心にその規模を拡大し、2020年には台北市に実店舗をオープンするなど、実店舗展開も拡大している。

日本においても、台湾での実績とノウハウを生かして、2022年にオンライン上においてサービスをスタート。インフルエンサーなどを積極的に活用しSNSを中心にブランドをPRし、昨年にはポップアップイベントも開催するなど、着実にその認知を広げてきた。

日本に進出した背景について、同社日本法人の施清元氏は「香港など様々な選択肢がありましたが、日本には非常にこだわりを持った消費者の方々が多くいらっしゃるので、とにかくチャレンジしてみようと考えました。仮に日本で失敗しても、必ずこの経験で得ることができるものがあると思っています。当社の商品や市場展開についてフィードバックをいただき、改善点を指摘していただくことが、今後の当社のよりよい展開にも繋がると考え、日本への展開を決めました」と話す。台湾の市場規模が比較的小規模であること、マットレスは日用品のように買い替えが頻繁に行われるものではないなどの側面から、台湾での展開当初から海外展開も視野に入れていたという。

同社が展開する看板商品のマットレス「スリーピー・とうふ」および折り畳みタイプの「スリーピー・いなり」は、適度な硬さが特徴の一つだ。背中を支えるような硬さをこだわって仕上げており、これは台湾のユーザーの生活習慣・好みに合わせて開発されてきたものだという。「スリーピー・とうふ」は、シングル、セミダブル、ダブル、クイーンの4サイズ展開で、価格は7万9800円~12万5800円。3つ折りタイプの「スリーピー・いなり」は、シングルとセミダブルの2サイズをラインナップし、価格はそれぞれ3万9800円と4万4800円としている。

新店舗では上記のマットレスのほか、敷きパッド(スリーピー・とうふ、スリーピー・いなり用) 、まくら(フォーム、ラテックス)、掛け布団に加え、マットレス専用の収納バッグも販売する。
店内空間はトラフ建築設計事務所が設計を、作原文子氏が店舗空間スタイリング・ディレクションを手掛け、玄関・リビング・ダイニング・キッチン・書斎・寝室といった実際の住まいを想起させるエリアを設けている。

随所に設けられた窓や間接照明によって、広がりと心地よさを感じられる設計で、「やわらかい暮らし」の世界観を表現。中央には、豆腐をモチーフにした丸みのあるフォルムの「TOFU ROOM」を配置しており、キッズスペースとしても活用できる。商品の陳列のみならず、家族が過ごす空間を実際にイメージすることができる空間となっている。



なお、店舗内に使用されているテーブルやチェアについても、すべて同社が製造したものだ。同社は台湾ではこのような家具類の販売も行っており、今後の推移によっては、日本での木製家具類などの販売についても視野に入れているようだ。

オープン以降、法人顧客などもショップに訪れ、商業施設などへの出店についての声も掛かっているという。今後は定期的にショップでイベントなどを開催していく予定で、ショップの空間作りに携わった建築家やデザイナーによるトークイベントや、香りのワークショップなどを計画しているようだ。

「SLEEPY TOFUのブランドを、お客様のライフスタイル全般に寄り添っていける存在にしていきたい」と施氏。日本のインテリア市場に一石を投じる「やわらかな暮らし」を体現する同社の世界観と今後の展開に注目だ。
(佐藤敬広)
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