トーヨーキッチンスタイル(東京都港区、清本英嗣社長)が正規代理店を務めるイタリアのインテリアブランド、Kartell(カルテル)の2025年新作コレクションが、日本市場に上陸する。ミラノサローネで注目を集めた最新デザインを中心に、「H.H.H.(エイチエイチエイチ)」を含む6つのアイテムを国内展開することを明らかにした。
目玉となるのは、カタカナ表記でフィリップ・スタルク氏が手がけたチェア「H.H.H.(エイチ・エイチ・エイチ)」だ。「現代の玉座」とも評されるこの椅子は、使用者の“所作”や“構え”をデザインの中に取り込み、単なる道具としての椅子ではなく、象徴的な存在としての意匠を追求している。環境配慮型のリサイクル素材をベースに、光沢仕上げ、エコファブリック、レザー、さらにはリバティプリントのグラフィックなど、5種の仕様展開を用意しており、素材と構造の融合を高い次元で成立させている。
続いて紹介されたのは、フェルッチョ・ラヴィアーニ氏による照明「テレーザ(Teresa)」だ。花の蕾のような柔らかなシェードデザインと、クラシカルかつ遊び心のある9色展開が印象的で、レトロ感と未来感が共存する独自の表情を生み出している。また、スタルク氏がデザインしたLEDスタンド照明「アンジェロ ストーン(Angelo Stone)」は、2024年のレッドドット・デザイン賞を受賞したモデルで、プリーツ状の樹脂シェードと支柱に内蔵された光源が、柔らかな間接光を生み出す構造となっている。透明素材を用いながら、視線に優しく、空間全体に溶け込む佇まいが高く評価されている。
人工知能との共創から生まれた「A.I. コンソール(A.I. Console)」も注目の一点である。最小限の構造でありながら有機的なラインを保ち、玄関や廊下などに調和するモダンな設計が特徴だ。スタルク氏とAIによる共同設計という点も、家具設計の新たな可能性を提示する象徴的な事例となっている。
アントニオ・チッテリオ氏が手がけた「グロッシー XXL(Glossy XXL)」は、既存の人気シリーズに加わった大型ラウンドおよびオーバルテーブルで、直径150cmの天板には陶器調のセラミック素材を採用。住宅からオフィス、ホテルまで、多用途に対応できる設計がなされている。
加えて、「バッテリー2(Battery 2)」は、充電式ポータブル照明の新世代モデルで、防水性能(IP54)を備え、屋外使用にも対応。USB-C充電と14.5時間の長時間点灯により、アウトドアから商業空間まで幅広く活用可能な仕様となっている。




