サンゲツ(愛知県名古屋市、近藤康正社長)は、非住宅市場向け不燃認定壁紙見本帳「2025–2028 FAITH(フェイス)」を2025年11月27日に発刊する。開発コンセプトを「ダイバーシティ&ユニバーサル(多様性と普遍性)」とし、色域の拡張と質感表現、脱炭素・省エネ・快適性を同時に満たす機能群を一冊に集約。収録は壁紙901点(新柄349点)、特殊壁装材271点と過去最大級の編成で、オフィス、教育、医療・福祉、ホスピタリティ、リテールなど非住宅の実装ニーズに軸足を置く。
同社は今回、プロの色彩計画を支える道具として、多配色シリーズ「TONEGRID(トーングリッド)」を新規収録。色相環に基づく体系で展開し、各色は日本塗料工業会(J版)またはDIC標準色に近似させた。内装材—建具—造作—什器間のカラー整合を取りやすくし、設計の初期段階から竣工まで色ぶれを抑える運用性を訴求する。一方、質感面では新マテリアル群「MATERIA(マテリア)」を追加。特殊印刷とエンボスで陰影とテクスチャーを立体的に再現し、石・金属・土・繊維の“擬似素材”を空間の主役として扱える解像度に引き上げた。
環境対応では、植物由来可塑剤を用いる定番の「biocloth(バイオクロス)」に不燃ラインを拡充。非住宅の法令適合(不燃材)とESG調達の両立を後押しする。照明・空調負荷に直結する反射性能も更新し、機能性壁紙「エコリフレクト®」は光反射率の改良により照度向上率・電力削減率をともに約7%改善。スーパー耐久仕様の表面強度も付与し、交通量の多い共用廊下や学内コリドー、医療バックヤードまで適用領域を広げた。
音環境では、硬質フェルトタイル「SOUNDIA(サウンディア)」を新開発。反響音を吸収して明瞭度を高める吸音機能に加え、約60%のリサイクルPETを配合した低環境負荷設計と、軽量・簡易施工で計画—施工—維持の全工程効率化を図る。壁紙カタログに“音”の解決策を同梱した編成は、ワンストップ調達を志向する非住宅案件での使い勝手を意識したものだ。
同社は近年、「スペースクリエーション企業」への転換を掲げ、素材供給から空間価値の創出へと役割を拡大している。今版FAITHは、①色・素材の設計自由度、②法規・省エネ・衛生の要件、③施工運用の実用性――を同時に満たす“標準解”を提示。色の体系化(TONEGRID)と質感の先鋭化(MATERIA)でデザインの自由度を確保しつつ、bioclothやエコリフレクト、SOUNDIAで性能要件に応える“二刀流”の構成とした。
見本帳は11月27日発刊。同日公開のデジタルカタログを併用し、色番号—標準色体系—関連部材を横断検索できる選定動線を整える。物件別のカラーガイド作成やVE・代替提案の迅速化にも寄与しそうだ。





