カーテン・じゅうたん王国(東京都中央区、今井満春社長)は、埼玉県の大宮店舗内に、30代女性客をターゲットにした新エリア、madoto+(まどと)をオープンした。同社主力の窓回り製品だけでなく雑貨など、これまで扱ってこなかったジャンルの製品についても追加的に販売を試みる。従来のカーテンや絨毯にとどまらず、生活空間に向けたプラスワン提案を行うエリアであることから、名称にプラスが加えられた。
同社の主要な顧客層はこれまで50代以上が中心で、20代、30代等の若年購買層は比較的少なめだという。若年層は今後いくつものライフステージを迎え、更新需要に直面する可能性が高いことから、同社はこの年代へのアプローチを積極的に行いたい考えだ。大宮店は比較的他店舗より30代の来店客が多いため、”madoto+”のパイロット店舗となったという。
店内入ってすぐ左手に、グレイッシュな床材にナチュラルテイストの什器で構成された新設エリアが広がる。住宅に使われる床材のトレンド色を取り入れるなどして、顧客が親近感を持ちやすいよう配慮された。新設エリアのそばに、新たに窓も設けられた。外から店内の様子をうかがえるようにするためだったが、採光の効果と床材の色合いが相まって明るい空間づくりにも一役買っていた。
”madoto+”エリアでは、天然素材のカーテンが販売されていた。若年層に一番興味を持ってもらいやすいラインナップだという。その他、パーソナルスペース向けの小型ラグマットやキッチン雑貨、籠、ソープ、フォトフレームといった生活雑貨も並ぶ。このような雑貨はこれまでほとんど取り扱いがなかった。
また新築住宅のカーテン選びは、見積もりに2時間から半日近くかかるケースもあるという。子連れ世代の長時間の滞在に対応すべく、トイレを改装しておむつ台も新設された。おしゃれなカーテン売り場というよりも、若年層向けの空間提案エリアが生まれたといえる。今後、顧客の反応を見ながら、内容の改定及びその他店舗にも水平展開していく予定だ。また、駅で立ち寄れる小型店舗の開店も視野に入れているとした。
madoto+でECサイト購買層も狙う
同社は自社のECサイトでもカーテンを販売するが、今後は”madoto+”のオリジナルコンテンツも加えて、若年層向けのカーテンやラグ、雑貨を積極的に販売していく予定だ。若年層はECでの購入に慣れており、自身で採寸方法を調べて実践する人も多い。”madoto+”の顧客層ともほぼイコールだ。30代女性は、仕事や子育てに忙しく、ゆっくりカーテン選びに来店しにくい層とも言える。同社商品部担当者によれば、生地サンプルも無料で郵送するなど柔軟な対応を開始しているという。同社は”madoto+”のコンセプトを基に、実店舗での来店を推進する一方、ECサイトも活用して顧客の囲い込みを推進していく狙いだ。
同社の店舗展開は広範にわたり、新しい取り組みは若年層がよりインテリアに関心を持つきっかけづくりになる可能性もある。今後の出店戦略に注目していきたい。