ニトリ(札幌市北区、似鳥昭雄会長兼社長)は2025年10月14日、ニトリホールディングス東京本部(東京都北区)で「ニトリ&デコホーム 2025年秋冬 新商品展示会」を実施した。


家具、ソフト商品、ハード商品、家電の4カテゴリーから合計約70アイテムを選抜。冒頭挨拶に続いて新商品紹介、囲み取材、自由内覧と試食会までを組み込んだ約80分のプログラム構成で、ブランド横断の新製品群を体系的に示した。

会場にはサステナビリティ施策を訴求する「SDGsブース」も設け、資源循環型の商品や回収サービスを併せて紹介した。

同社は創業以来掲げる「暮らしの豊かさを世界の人々に提供する。」の理念のもと、「お、ねだん以上。」の価値訴求を軸に、家具から寝具・日用品、近年は家電へと領域を拡張してきた。展示会はこの流れを象徴する施策で、店頭だけでは伝わりにくい開発意図と機能価値を、カテゴリー横断で体験できる場として位置づける。

冒頭で似鳥昭雄社長は、創業時からの長期計画を振り返りつつ、「今後は年2回程度、商品発表会を行っていきたい」と表明。事業構成の変化については「家具の売上は全体の3割ほど。それほどまでに、生活に関するあらゆる商品の取り扱いを拡大してきた」と述べ、家具・ホームファッション用品・家電といった生活全般を対象にした商品政策の推進を強調した。大型家電では市場相場に対して価格と機能で新基準を打ち出す戦略を示し、今回はヒートポンプドラム式洗濯乾燥機を目玉商品として位置づけた。

ニトリの永井弘取締役専務は、今回の発表会開催について「多くの商品を取り扱っている当社だが、お客様には来店していただくたびに“商品が新しくなった”と感じていただきたい。当社は家具から始まり、今は家電まであらゆる分野で商品化を進めている。その答えを少しでも実感していただこうという思いで、このような形で世の中との対話をより深めていこうと考えた」と背景を説明。家電売場の展開状況については、「全店の6割程度で新レイアウトへの刷新が進んでいる」と進捗を明かし、特にファミリー層に向けた大型家電の販売が通年で伸長している現状を示した。

商品群では、家電の強化が鮮明だ。12kgのヒートポンプドラム式洗濯乾燥機(税込14万9,900円、2025年10月販売開始)を初披露。ヒートポンプ+ヒーターの併用で短時間乾燥を特長とし、泡シャワーや温水洗浄、OHラジカル除菌水、乾燥フィルター自動洗浄などメンテ性も高めた。冷蔵庫は、奥行59cmの薄型410Lモデル(税込9万9,900円、2025年12月販売予定)を発表。床面排熱構造により壁からのクリアランスを最小化し、両開きドアで前面スペースの効率化を図る。

調理家電・ツールでは、下ごしらえの主要工程を一体化する「1台10役 解凍プレート付きまな板セット」(税込2,490円、2025年9月発売)や、同社史上最軽量をうたう26cmフライパン(税込1,290円、2026年2月販売予定)を提示した。


家具では、リビングの中核となる電動ソファ分野で人気シリーズ「Nビリーバ」に2モーター仕様を投入。背と脚を独立可動させ、三段クッションやバケット形状により座り心地を高めた3人用モデル(合成皮革「N-シールド」採用、税込16万9,900円、2025年11月販売予定)を打ち出した。



ワーク&スタディ領域では、ライフステージや間取りの変化に応じてレイアウトを変えられる「シェルフデスク JH01」(税込5万9,990円、2025年12月販売予定)を提案。デスクをキャスターで収納したり、L字配置にしたりと、組み替えを要さず運用できる点を訴求した。


チェアはポケットコイルチェア「C-011」を9月より販売開始している。ポケットコイル座面、Nシールドファブリックによるもので、価格は税込2万5,000円。

ダイニングセット「リラックスワイド2」の4点セットも展示。価格はセットで税込9万9,990円とした。カラーバリエーションは全12種。チェア座面幅60㎝・テーブル幅を160㎝と広くとっていることも特長だ。


立ち上げり支援電動パーソナルチェアは、手元のコントローラによって座面がせりあがる仕様。2026年1月の販売開始を予定している。価格は税込3万9,990円で、よりリーズナブルな価格での新製品となる。

電動パーソナルチェア「HE01」は、USBポートを完備。価格は税込3万4,990円で、2026年1月に販売開始予定。

美容家電等にも注力。

寝具では、繊維内に弱酸性の美容成分を保持する「美容寝具 Nキレイ」を新規軸として立ち上げ、枕カバー(43×63cm、税込2,990円、2026年3月販売予定)から展開を図る。


永井取締役専務は、「家電は大型店での売場効率が上がり、売場面積拡大に売上が追随している」と手応えを語っており、カテゴリー横断の商品化力と価格政策をテコに、家電を第4の柱として収益基盤に定着させる構えだ。





