鉄家具ブランドを展開する杉山製作所(岐阜県関市、島田亜由美代表)は2026年4月21日から25日まで、ミラノデザインウィーク2026に出展する。会場はミラノ市街のGalleria Antonio Battagliaで、展示タイトルは「Beauty of Presence(佇まいの美)」。国内外のデザイナーと共創した新作チェアとプロトタイプを発表し、オフィスやホテルラウンジなど公共空間を意識した2つの空間テーマ「爽」と「温」で鉄家具の存在感を示す。
同社は1962年創業。自動車や鉄道車両の部品製造で培った加工技術と設備を背景に、2000年から自社で企画・デザイン・製作・販売を一貫する「鉄家具」へ事業領域を広げた。刀鍛冶の伝統が息づく関市に拠点を置き、鉄の特性を生かしたミニマルな機能美と手仕事の痕跡を、現代の暮らしへ落とし込む姿勢を打ち出す。
今回の主役の一つが、新作チェア「MONKEY BAR CHAIR」だ。細身のメタルフレームがグラフィックのような輪郭を描き、宙に浮いたようなレザーシートが身体に沿う構成とする。遊具の「うんてい」から着想を得たという。デザインはスペインのJorge Herrera(ホルヘ・ヘレーラ)が担当し、「緊張感」と「軽やかさ」のバランスを狙った。
試作としては、プロダクトデザイナー安積伸氏(法政大学デザイン工学部教授)が手がけた「Radial Coat Stand/Radial Umbrella Stand」を展示する。三本のジグザグ縦構造を放射状に配し、リングで束ねる彫刻的な構成で、収納家具としての機能と空間のアクセント性を両立させる設計だ。コートスタンドはコートフックやリング状のハンギングバー、円錐形トレイなどを備え、小物やヘルメット置き場としても使える提案を示す。傘立ては内部の間仕切りとして三脚構造を活用し、傾きを抑える。
既存シリーズでは、伊藤浩平氏がデザインした「SHIN スタッキングチェア/スタッキングアームチェア」を出す。不要な要素を削ぎ落とし、椅子に必要な構造だけで成立させたミニマルさを核に、鉄の耐久性とスタッキング(最大約4脚)を両立した。黒皮鉄に透明塗装を施し、磨き、火あぶり、槌目などの仕上げが手仕事の温もりを生むとしている。
このほか、村澤一晃氏が手がける「felice easy chair」と「Tsuzumi circle table」も展示する。feliceシリーズの一筆書きのような背からアーム、脚へ続く構成を生かしつつ、ラウンジチェアに近い座り心地を狙う。Tsuzumiは日本の楽器「鼓」の名を冠したシリーズに加えたテーブルで、フレーム曲線を見せるため天板はガラスとし、影の表情も含めて楽しむ提案とする。




