キッチンや造作家具、木製サッシ、建具を手がける国内4社の協業ブランド「Aria & Aura(アリア&アウラ)」は2026年3月16日、東京・南青山に新ショールーム「Aria & Aura Aoyama Gallery NATURA MAESTRA」を開設する。2013年の発足以来、新宿OZONEを拠点に活動してきたが、今回の移転を「単なる拠点移動ではなくブランドの新章」と位置付け、展示ラインアップの刷新とともに、建具や造作家具の選び方そのものに価値観の転換を促す狙いを掲げる。

南青山には海外の高級家具・インテリアブランドが集積する一方、キッチンや建具、木製サッシといった“建物と一体化する要素”のショールームは少なかった。Aria & Auraは、家具には時間と予算をかけるのに建具や造作は後回しになりやすい現状を課題と捉える。建具は簡単に取り替えにくく、住まいの寿命とともに使われ続ける部材だという前提に立ち、素材とデザインを丁寧に選ぶ文化を青山から広げたい考えだ。国産メーカーの強みとして、フルオーダー対応、短いリードタイム、長期のアフターメンテナンスを挙げ、ハイエンドな文脈の中で「造作の価値」を問い直す。
新ショールームは五感で体験する構成を採る。キッチンでは調理体験を可能にし、無垢材や建具は触れて質感を確かめ、木が放つ香りを感じる。加えて、精度の高いサッシや建具が生む開閉時の静けさまで含め、住空間の感覚価値を提示する。展示内容はトレンドや技術の変化に合わせて継続的に更新し、訪れるたびに提案が変わる場を目指すという。

注目プロダクトとして、吉野杉を扉材に用いたオーダーキッチンを掲げる。最高級とする吉野杉に、欧州の意匠設計と日本の伝統技術を組み合わせ、小口加工や塗装の手触りなど量産では再現しにくい仕上げを訴求する。建具では、無垢一枚板とガラスを組み合わせた新製品を提示する。含浸塗料仕上げで、傷が付いても再研磨で蘇らせて使い続ける設計とし、長期使用を前提に据えた。木製サッシでは、框の見付けを極限まで抑えたスリム框のコーナーサッシを展示し、国内で採用例がないとする新樹種「レッドグランディス」を採用した点を打ち出す。

さらに、ウォルナット一枚板テーブルはソープフィニッシュで素材感を残し、建築デザイナー成ヶ澤氏の脚部と組み合わせて一点物として提案する。
Aria & Auraは「無垢をデザインする」をコンセプトに、樹齢100年を超える天然木材を職人の技術と現代のデザインで住空間へ届ける協業ブランドだ。新拠点の開設は、家具と建築の間に位置する造作領域を、都市部の感度の高いマーケットに向けて再定義する動きとなる。
新ショールームの所在地は東京都港区南青山4-24-1 Faveur Minami Aoyama 2階。
