岐阜県高山市は2026年3月12日、岐阜県立木工芸術スクールの令和7年度卒業生が製作した木製家具が、市役所に寄贈されたと発表した。寄贈品はベンチ5台、椅子3脚の計8点で、市役所1階ロビーで来庁者が実際に利用できるよう設置する。市は、家具の産地としての飛騨高山を来庁者に再認識してもらうとともに、卒業生が身に付けた技術を体感してもらう機会になるとしている。
木工芸術スクールは、飛騨匠の伝統を受け継ぐ人材育成機関として約80年の歴史を持つ。昭和21年に高山建具工補導所として開所し、現在は家具業界で活躍する人材の育成を目的に、専任スタッフに加え、家具業界初の「現代の名工」認定者、職人歴40年以上の曲げ木職人、個人工房作家など、飛騨の木工業界を代表する講師陣が指導にあたるという。入学した生徒は1年間、家具製造の技術を学ぶ。

今回の寄贈品は、利用者や設置場所を想定して製作した。市は「市役所を明るくしたい」「高齢者が立ち上がりやすいように」「見るだけでも楽しめるように」といった意図が作品に込められ、ロビーの雰囲気を華やかにしていると説明する。3月11日に行われた贈呈式では、卒業生が各作品の狙いを高山市の田中明市長に説明した。
市と木工芸術スクールの連携は継続している。令和2年度にコロナ禍で卒業作品展が実施できなくなったことをきっかけに、スクール側から市へ連携事業を打診し、若者等活動事務所「村半」や「飛騨高山まちの博物館」へ家具や辻灯籠を寄贈した。その後も「飛騨高山にぎわい交流館 大政」や市役所こども未来部窓口などへ寄贈が続き、公共施設で卒業制作が活用されている。