【取材】HTL CIFF広州で50周年を前面に 日本市場へは機能提案と小型化を強化

第57回CIFF広州第1期で、シンガポールのHTLがArea A・3.2ホールの国際ブランドゾーンに出展した。

会場では「50 HTL SINGAPORE SINCE 1976」の大型サインを正面に掲げ、木質壁面と植栽を組み合わせた外観で来場者を迎えた。受付奥にはブランドヒストリーを見せる壁面を設け、広い通路側から商談スペースへ自然に導く構成とし、単なる製品陳列ではなく、ブランド体験まで含めた見せ方を徹底した。CIFF会場の国際ブランド群の中でも、HTLは周年訴求を軸に存在感を強めた出展の一つだ。

HTLは1976年にシンガポールで創業した革張りソファメーカーで、日本法人のHTL Japan ワタリジャパンは1996年創業。グループは中国、イタリア、インド、ベトナムなどに生産拠点を持ち、世界52カ国以上に輸出、5000超の販売店舗を展開する。自社で皮革工場を持ち、革、木枠、フォーム、縫製、最終組み立てまでを一貫して管理する点が強みだ。

今回のCIFFブースでも、大型の革張りソファから電動機構を備えたモデルまで並べ、レザーを核にしながら、快適性と機能性を広げていく現在の方向を打ち出した。


ワタリジャパンの「HTL Odaiba Tokyo Showroom」

多様な製品を展開しているHTLグループだが、日本市場むけでは住宅の縮小や生活者の体格差を踏まえ、コンパクト化や座面高の見直しを進めた独自モデルも投入している。

日本のバイヤーは、電動機構やスピーカー内蔵といった多機能ソファへの関心が強く、CIFF会場でも長時間足を止める姿が見られたという。

新しい電動ソファでは、可動機構を持ちながらロボット掃除機が入りやすい構造も提案しており、機能性を単なる付加価値ではなく、生活上の使いやすさへ結び付けようとする姿勢がうかがえた。革張りを主力としながらも、ファブリック需要の広がりも見据え、素材提案の幅を広げている点も特徴だ。

日本での売り場づくりでは、東京・台場の「HTL Odaiba Tokyo Showroom」がその受け皿になっている。2024年5月に開設した同ショールームは、体験、生活提案、商談を組み合わせた構成で、製品の構造や使い方を理解しながら接客に生かせる場として整備された。ユーザー提供の写真でも、革そのものを見せるディスプレーや日本語の製品説明、ブランドごとの見せ分けが確認でき、CIFFで見せたグローバルブランドとしてのスケール感を、日本市場向けの接客や販促へ落とし込む拠点になっていることが分かる。

グループ50周年と日本展開30周年が重なる節目の年に、HTLはCIFF広州でブランドの歴史を示すだけでなく、日本を含む各市場に合わせた調整力も打ち出した。大型高級ソファの世界観を守りながら、電動、多機能、小型化、素材の選択肢拡大までを同時に進める姿は、同社がODMの蓄積を土台に、自社ブランドの存在感をさらに高めようとしてい。今回の出展は、グローバル供給力を背景にしながら、日本市場ではよりきめ細かな商品編集へ踏み込むHTLの次の一手を示した。