【取材:展示会レポート】CIFF広州2026第1期 「CONNECT・CREATE」掲げ設計力と新需要を前面に

中国・広州で3月18日、第57回中国(広州)国際家具博覧会(CIFF広州)が開幕した。会期は第1期が同18日から21日、第2期が同28日から31日で、会場は広交会展館とPWTC EXPO。全体の展示規模は85万平方メートル、出展は4900超ブランド、来場は200超の国・地域から38万人超を見込む世界最大級の家具見本市だ。第1期はホームファニチャー、ホームデコール・ホームテキスタイル、アウトドア・レジャーを軸に構成され、中国内需と輸出の双方をにらんだ大型商談の場として動き出した。

開幕初日のオープニングセレモニーでは、中国対外貿易中心の周善青副主任、中国家具協会の徐祥楠理事長らが登壇し、会場には業界団体、流通、売場、関連企業、メディア関係者が集まった。会場ステージには年間テーマ「CONNECT・CREATE」が大きく掲げられ、展示会を単なる受発注の場にとどめず、産業の接続、設計力の強化、新技術の社会実装を担う平台へ引き上げる方向が鮮明だった。

第1期の中核を成すホームファニチャー展は、設計主導と国際市場対応を前面に押し出した。CIFFコンテンポラリー・デザインフェアは4万平方メートルで60超の商業デザインブランド、20超のデザイナースタジオ、40の海外企業を集積。張り家具分野は13万平方メートル、400超ブランドに拡大し、エリアA・Bでソファ、ベッド、スマートスリープを厚く見せた。3.2ホールにはHTL、AICO、Ashley、Chateau d’Ax、Egoitalianoなどの国際ブランドが並び、5.2ホールではスマートマットレス、電動ベッド、睡眠モニタリング、多機能ソファを軸とするスリープエコシステムが打ち出された。国際館も3万平方メートル、90ブランド規模で展開され、海外メーカーの存在感を改めて示した。

一方、ダイニング・リビング分野はPWTC Area EとArea Cをまたぐ12万平方メートルに800超企業を集め、中国150産地クラスターの供給力を可視化した。ホームデコール・ホームテキスタイルはArea Dの6万平方メートルに約700ブランドが集まり、装飾性だけでなく、健康・シニア対応やペット関連まで領域を広げた。アウトドア家具・サンシェード・レジャーも5万平方メートル、約400ブランドで構成され、素材開発やクラフト提案を含む総合的なアウトドアライフ市場として提示された。第1期全体を通して見ると、従来の家具分類をなぞる展示ではなく、デザイン、スマート化、ウェルビーイング、アウトドア、ペット、越境ECといった需要側の変化に応じた展示とした印象が強い。

オープニングセレモニーでも、その方向は明確に示された。壇上では「イノベーションが産業の新動能を活性化する」「大数据・AI科技を支えに高効率サービスと低炭素転換を進める」といったメッセージが示され、老年用品、ペット用品、スマートホーム、グリーン建材家装などの消費分野が次の成長領域として挙げられた。家具見本市でありながら、実際には消費構造の変化と産業構造の転換を同時に映し出す場になっていることを印象付けた。

CIFF広州2026第1期は、完成品の量と規模を競う展示会から一歩進み、設計、技術、素材、販路、生活提案をつなぐ産業基盤としての性格を強めた。とくに今年は、スマートスリープやシニア対応、ペット関連、アウトドアといった新需要を本流の展示の中に組み込み、中国家具産業が量産輸出型から高付加価値型へ軸足を移す流れを分かりやすく示した。日本の流通やメーカーにとっても、単なる仕入れ先探しではなく、中国市場がいま何を伸び筋として再編しているかを読む場としての重要性が一段と高まっている。

(続く 佐藤敬広)