井上企画 3Dプリントの技術でモリタインテリア工業の「コロノチェア」を製作

井上企画(福岡県大川市、井上慶子代表)は、大川で製造される家具に使われる広葉樹の廃材を使用し、新しい材料を独自に開発し、3Dプリンターを活用する素材開発事業を行っている(粉砕~ペレット~3Dプリントまで一連の流れを自社で完結)。

この素材は、広葉樹の色合い、匂いなどの質感を活かし、高い強度と耐久性を持つ新素材となり、この素材で製造された製品は、水平リサイクルが可能な理想的な循環型の事業となっている。

同社は10月29日より幕張メッセで開催のサステナブルマテリアル展の出展し、新たなプロジェクトを発表する。新プロジェクトはモリタインテリア工業(福岡県大木町、森田晃司社長)と共同で、材料製造や3Dプリントを手がける井上企画の特徴を生かし、家のダイニングに置いてあるような自然なデザインの椅子をそれぞれの技術を融合し、作ることを目的としてきた。

樹種としては、木材のフレームと3Dプリントパーツ、どちらもケヤキ材を使用。椅子の製造工程で生まれる加工屑を活用し、木粉ペレット(WPC)にすることで、立体や曲線などの製造が得意な3Dプリントで座面・背もたれを製造。そのことにより、限りなく使用する材料を100%とし、環境にやさしい製品とした。

加工屑を使用することで、同じ木材の種類を使用しているため、組み合わせたときに色のバランスが良く、互いの良さを引き立たせる。造形上の工夫により、座面や背もたれの硬さなどを調整することも可能。