インテリアショップ「リセノ」を展開するFlavor(京都市中京区、山本哲也代表)は、無料動画で部屋づくりの考え方を学べるアプリ「リセノインテリアスクール」を2026年1月に開校した。同社はあわせて、部屋写真からAIが提案画像と助言を返す「リセノ AI インテリアシミュレーター」もリリースし、学習と体験の両面から生活者の部屋づくりを支援する。
「リセノインテリアスクール」は、スマートフォンなどで無料で受講でき、同社が独自に体系化してきたインテリア理論を動画で学べる仕組みという。学習の進捗は専用システムで管理し、全講座の修了後には修了証も発行する。

同スクールの中核は動画講座で、全22回の構成。YouTubeでも月1本程度で講座を配信してきたが、スクール側ではラーニングマネジメントシステム(LMS)を組み込み、視聴後に理解度テストを受けながら学習を進められる点を打ち出す。動画尺もYouTubeの40分〜1時間程度の内容に対し、アプリ側では通勤時間などの隙間で学べるよう5〜10分単位に区切る設計としている。

学びの入口を広げるだけでなく、実地の「体験」も用意する。リリースでは店舗での体験講座に触れており、学習を深める機会として位置づける。Flavorの山本代表は「知識だけでなく経験の積み上げが重要だ」として、月1回程度、店舗で少人数の体験型レッスンを実施。同レッスンは2月以降、参加者1人あたり1回3,300円のチケット制に切り替える方針も示した。

一方の「リセノ AI インテリアシミュレーター」は、部屋写真をアップロードし好みのテイストを選ぶだけで、AIが提案する画像と、提案理由を文章で提示する。同社が編纂した「インテリアコーディネート理論」(書籍2冊出版済)をAIが学習している点を特徴として挙げ、1日5回まで無料で利用できる。山本代表は、スクールのアプリ提供に加えてAIシミュレーター機能も同一アプリ内に搭載したと述べ、同社の試算として「2枚×5回で10枚、金額換算で約1,000円相当」を無料で開放している。今春には、生成する提案画像を同社の家具に限定してシミュレーションできる仕様の投入も予定する。

山本代表は、こうした学習・提案機能を生活者向けに留めず、業界全体の人材育成にもつなげたい考えを示す。社内では「社内大学」の形でセオリー学習を集中的に行い、入社後半年程度で販売実績の上位に入る例が出たとし、学習が能力開発に寄与したとの認識を示した。加えて、家具小売の現場では若手が中価格帯の家具を提案・販売するハードルが高いとして、体系的な学習機会の必要性を語る。

同社は今後、学習内容を基とした「インテリアスタイリスト」の資格化も視野に入れる。山本代表は2026年9月頃を目標に「インテリアスタイリスト」を初級・上級の講座として展開する計画に言及。上級では、3Dスタイリングやプレゼンシート作成など、提案力を高める内容を想定し、インテリア販売に携わるプロ向けの講座・資格としての展開を予定している。3Dツールは同社で使用している「ホームスタイラー」を起点にするとし、受講料は10万〜20万円程度の価格帯を検討しているという。

AIシミュレート機能についても、店頭接客での活用拡大を視野に入れており、「従来の3D提案は作成に時間がかかり、短時間来店客への対応が難しい場面がある。しかしAIシミュレートでは数十秒で画像提示が可能であり、お客様との会話のきっかけづくりに役立つ」と山本代表は語る。同社店舗での効果検証を踏まえたうえで、将来的に業界向けにBtoB展開する可能性にも言及した。
家具・インテリア市場では、ECの浸透により購入前の情報収集が細分化する一方、空間提案を担う人材不足も課題となる。Flavorは、理論を「教養」として学ぶ場と、AIで提案を即時に可視化する体験を組み合わせ、生活者の意思決定と店舗の提案業務の双方を支える仕組みづくりを進めていく方針だ。
(佐藤敬広)







