NODA Japan(東京都港区、野田豪代表)が展開するインテリアブランドAREAは2026年2月3日、桐と職人技に焦点を当てた新作チェスト「KIRIDANSU(キリダンス)」を発表した。伝統的な桐箪笥が担ってきた「嫁入り道具」や「親から子へ譲る」文化的背景を参照しつつ、現代の住空間に向けて“記憶を継ぐ箱物家具”として再提案する位置づけ。
新作の企画背景として同社は、ニューヨークの店舗から新しいチェストを求められたことを挙げる。ヘッドデザイナーの野田豪氏は、母から受け継いだ箪笥を開けるときに漂う樟脳の匂いが記憶を呼び起こす体験に触れ、箪笥という器に家族の時間が積層していく価値を、現代の製品として形にしたい考えを示した。
製作面では、桐の無垢材を用い、気密性の高さを重視する日本の箪笥づくりの流儀を前面に出した。引き出しを閉めると別の引き出しが押し出される現象を例に、箱内部の空気の逃げ場が小さくなるほど精度を詰める組み立てが、機能の裏付けになるとしている。金物(釘やネジ)への依存を抑え、「木は木で締める」という指物の思想を踏まえた構造も特徴に据える。長期使用を前提に、万一の破損時も修理・再生を視野に入れた姿勢を打ち出す。
素材の桐については、調湿性により内部環境を一定に保ちやすい点、防虫・抗菌性、熱伝導率の低さによる耐火性、軽量性などを特性として挙げ、保管家具としての合理性を訴求する。さらに、削り直しなどの手入れで再生しやすい点を、長く使い続けるための要素と位置づけた。
デザインは、直線的なシルエットを基調にしながら、ディテールに丸みを持たせることで、現代空間に置いた際の硬さを抑える意図を示した。引手は真鍮の無垢材を採用し、経年による色味や光沢の変化も含めて、時間の蓄積を受け止める仕様とする。KIRIDANSUのサイズは幅1400×奥行550×高さ900mm。本体価格は88万円(税込96万8000円)としている。




