木工機械・家具製造設備の専門見本市「WMF(中国・上海国際家具機械及木工機械展)」は、2026年9月5日から8日まで、中国・上海の国家会展中心(上海虹橋)で開催される。会場は7.1館と8.1館で、2026年展は1986年から数えて40周年の節目に当たる。主催は中国対外貿易広州展覧有限公司、中国林業機械協会、Adsale Exhibition Services Ltd.、中国対外貿易紅星美凱龍会展有限公司で、木工機械分野の専門展として、家具製造の上流から下流までを視野に入れた構成を取る。

今回のWMFで最も大きい特徴は、CIFF上海、中国建博会(CBD-IBCTF上海)、上海国際ソフト家具生産技術展(Upholstery Tech)との同時開催・統一企画にある。Adsaleのリリースでは、この4展を「デザイン(CIFF)」「建装(CBD)」「製造(WMF)」の三つのエンジンで動かす構想として整理しており、展示会群全体を「ホームファニシング・建装業界のワンストップ・プラットフォーム」へ引き上げる方針を打ち出した。従来の単独展示会の寄せ集めではなく、デザイン提案から建装、量産実装までを一気通貫で見せる産業基盤へ転換するのが狙いだ。
背景にあるのは、家具業界の競争軸が「製品単体」から「空間提案」「システム対応」へ移っていることだ。CIFF上海の関連発表では、消費需要が単品中心から空間・ライフスタイル一体型へ移り、企業間競争も「製品力」から「システム力」へ変わりつつあると説明している。こうした中でWMFは、家具製造技術の中核展示として、デザインや商品企画を現実の工場で再現する役割を担う。CIFFが需要洞察やデザイン表現を担い、WMFが生産実装と製造遂行を受け持つ構図が、2026年の上海展ではより鮮明になる。
WMFによると、2026年展の規模は340社超、展示面積5万平方メートル、来場者は3万人超を見込む。テーマは「The Smart Balance of Manufacturing」で、品質、効率、コストの均衡をどう取るかを軸に、機械、材料、部材を組み合わせた統合提案を進める。展示分野は、受注・量産向け機械、機械部品と自動化技術、表面処理、木質パネル製造、一次加工・製材技術、木構造技術、グリーン生産・安全管理、包装、原材料・副資材、刃物・ハンドツール、彫刻機、ソフト家具機械、CAD/CAM、デジタル印刷など幅広い。木工機械見本市でありながら、いまや工場全体の運用設計まで含めて提案する総合展の色合いが強い。

主催者側は、2025年展で見えた市場の変化も2026年展の柱に据えている。公式発表では、切断、縁貼り、六面加工までを連結するデジタル・フレキシブル生産ライン、高精度な無垢材加工、曲面や非定形加工、エネルギー効率を高めたパネル・合板生産などを、次回展を形づくる重点テーマとして挙げた。実際、2025年には37超の国・地域から来場があり、中東、アフリカ、欧州、南米、アジアのバイヤーが中国の木工・家具製造技術に強い関心を示したという。2026年展は、その国際需要をさらに取り込みながら、中国発の製造技術を海外市場へ接続する場としての役割も強める見通しだ。
加えて、WMFは単なる機械展示から「スマート製造プラットフォーム」への進化を明確に掲げている。公式サイトでは、スマート機械と材料・部材の連携、用途別の実演、デジタルかつ柔軟なスマートファクトリーの展示、国際バイヤー開拓、Furniture Tech Weekとの連動を次の成長軸として示した。これは、機械を並べて比較する場から、実際の生産課題に対する解決策を提示する場へ役割が変わっていることを意味する。家具メーカーや部材企業にとっては、省人化、短納期対応、多品種小ロット化、環境対応といった課題への具体策を探る場になりそうだ。
2026年のWMFは、40周年という節目を祝うだけの開催ではない。CIFF上海や建装展との連携を通じて、家具産業を「意匠主導」から「意匠と製造の両輪」へ進める試みの中核を担う展示になる。家具・建装市場で求められるのが、見た目の新しさだけでなく、安定供給、柔軟生産、環境配慮まで備えた総合力へ移る中、WMFの役割はこれまで以上に重くなる。上海虹橋の会場で9月に立ち上がる4展連携は、家具産業の展示会が産業課題の解決へ踏み込む転換点として注目される。

