フレスト 「UD.レジェンド」立ち上げ アップサイクル羽毛ブランド化

フレスト(神奈川県座間市、林周作社長)は羽毛をアップサイクルした「UD. LEGEND(アップサイクルダウン.レジェンド)」の展開を開始。「UD. LEGEND(ユーディー.レジェンド)」として、ブランドを立ち上げ、クラウドファンディングを活用しながらブランドの認知拡大を進めている。

羽毛は食肉産業の副産物であるが、廃棄物でもある。SDGsや環境配慮への志向が強まるなか、何もしなければ廃棄物になってしまう羽毛を資源として生まれ変わらせ、活用していく。

林社長は家具店や美容系サロンの寝具などを監修、プロデュースし、多方面で寝具を手がけている。寝具の現場に長年おり、廃棄される大量の羽毛を目の当たりにしてきた。同社では、以前から羽毛のリフォームを推奨していたが、時代の変化に合わせ、捨てられる製品に新たな価値を与え、再生するアップサイクルに取り組む。

羽毛は長期で使用でき、また、再生可能な資源である。しかし、10年、20年程度で廃棄されてしまうことも多い。20年、30年前に流通していた羽毛ふとんの原料の質が高いものが多いことから、こうした羽毛を活かしていく。アップサイクし「UD. LEGEND」として、ブランド化した。

また、生きたまま羽をむしり取る「ライブ・ハンド・ピッキング」を行う一部の業者がいることが現在も確認されているという。水鳥に対する残酷な行為としてだけでなく、ライブ・ハンド・ピッキングをくり返すと羽毛の質が悪くなることもある。水鳥を救うためにも、新毛を使用しないことで、水鳥の環境改善に貢献していく。

UD. LEGENDでは、質の良いダウンに仕上げるため、丁寧に選別。繊細な技術でアップサイクルダウンに仕上げる。洗浄は山梨県白州にある工場で行う。白州の超軟水の水を使用することで、洗剤を使用しなくても羽毛を傷めずに洗うことができる。最先端の技術と国内最高峰の洗浄過程により、ワンランク上の羽毛にする。

リサイクル羽毛であるものの、「新毛よりも厳しい基準を設けている」と林社長。清浄度は1500㍉以上を達成。また、ダウン率90%以上を保証する。ダウン率94%以上、ラージフェザーの検出はゼロだったという試験結果も出ている。

素材そのものだけでなく、UD.LEGENDを使用した製品にもこだわっている。羽毛原料価格が高騰したことで、羽毛の充填量を減らしている現状もある。国内の生産初期の羽毛ふとんは1500㌘から1800㌘だったが、現在は800㌘から1200㌘が主流になっているという。しかし、同社では良質な羽毛をふんだんに使用し、1800㌘の羽毛ふとんを実現した。

今後は既存顧客やウェブショップの他、クラウドファンディングの「CAMPFIRE」や「Makuake」で製品を販売していく。将来的には専門店をオープンしていきたいという。