リアル・スタイル 新作展「2024 REAL Style New Collection in AOYAMA」開催 和洋の素材の特長を活かした家具・インテリアアイテムが充実

リアル・スタイル(名古屋市中区、鶴田浩代表)は2024年3月13日~15日にかけて、ライトボックススタジオ青山(東京都港区)で新作展示会「2024 REAL Style New Collection in AOYAMA」を開催した。

インテリアブランド「REAL Style」の家具と、スペインの世界的なデザインラグブランド「GAN Rugs」のニューアイテムを中心に、様々なブランドの商品を紹介。“畳”をモチーフに細部にまでこだわって作り上げたソファや村澤一晃氏デザインの緩やかにカーブしたフレームが特徴のダイニングチェアといった新作を中心に、川上元美氏デザインのチェア「cochi」「Kime」や“布団”をモチーフとしたソファ「Seattle」等の定番アイテムを展示するほか、コシノジュンコ氏のデザインした「JUNKO KOSHINO CASA」シリーズに新しく加わるフラワーベースも発表した。


展示会場を入ってすぐの場所に置かれたのは「ひびき」シリーズ。これは、木材、石材、鉄を組み合わせた、異素材混成の「ひびき」をテーマに開発されたプロダクトだ。天板の木材は岐阜県飛騨産の小径木の木材を使用。

脚の土台部分に用いた石についても、飛騨地方、御嶽山の山腹に点在する火山岩に焦点を当てている。石のタイプは楕円と円柱から選択できる。脚の鉄部分についても、飛騨・神岡鉱山に残った金属処理や加工産業への視座を当てており、飛騨地域に特化したアイテムとなっている。デザインは川上元美氏が担当した。


大型ソファ「FUZA(フザ)」は、小林和生氏がデザインを担当。

ヨーロッパのテイストを意識しながらも、デイベッドは座面畳仕様が選択できるなど、日本らしさも随所に採り入れた製品となっている。名称の「FUZA」は、仏教の座法の一つである「結跏趺坐」が由来だ。

リアル・スタイルは主に百貨店などでアッパー層をターゲットに製品を展開しているが、本場のイタリアブランド製品にも匹敵する製品開発に注力。鉄のフレームは広島県の福山で、脚は富山県の高岡で製造。デイベッドの畳部分は和紙で構成しており、い草と比較して15倍ほどの強度をもつという。


キャビネットの新作では「SUI(スイ)」ステンレスキャビネットが発表された。医療機関に設けられていたようなドイツ製キャビネットをモチーフに作りこんだ。

内部にはLED照明を内蔵。棚板は強化ガラスを採用している。


チェアでは、村澤一晃氏デザインの「VITA(ヴィータ)」チェアが発表された。村澤氏があたためていたというデザインは、軽さと、曲木の技術を活かしたデザイン。

脚は26㎜と細くスタイリッシュだ。アッシュ、アッシュ(黒)、アッシュ(グレー)、ウォールナットから選択できる。


テーブルでは「ELLIOT(エリオット)」ダイニングテーブルがラインナップに加わる。天板はセラミックまたはウォールナットで、セラミックの場合はサハラノワール、トラバーチンナボナ、グレーマーブルの3タイプから選択できる。

木部はオーク、オークブラック塗装、ウォールナットから選択可。脚のデザインは神社の鳥居をイメージしたものとなっている。


ラグでは、スペインのJARAPA(ハラパ)によって製造され、ドイツでデザイン、日本のインスピレーションを織り交ぜた「ITAJIME」「TESUJI」をリリースした。

ドイツ・デュッセルドルフ在住の日本人クリエイティブディレクターである村瀬弘行氏の「suzusan(スズサン)」ブランドのアイテムだ。今回の新製品では、横糸のカラーをグレーに変えるなど、織り方を高級感のあるデザインにブラッシュアップし、日本の伝統工芸の絞り柄を平織で表現。ラグは素材にリサイクル繊維を100%使用している。「あいまいな感じが“優しい”アイテムです」と同社の鶴田代表。


ダイニングテーブルコレクションでは、コシノジュンコ氏がデザインを手掛けた1/2テーブルが展示された。ハイ仕様は高さ720㎜、ロー仕様は380㎜。可変性のあるアイテムとして2つで1つのテーブルを構成する。これにより、長方形からカウンター形までさまざまなスタイルに自在に変化させることが可能となっている。このテーブルに合うチェアも開発を進めているとのことだ。


リアル・スタイルでは、スペインブランドとのプロジェクトを盛んに進めており、前述のハラパのほか、「POTTPROJECT」として、スペイン南東部の陶器の町トタナの素材および、伝統的なハンドメイドの製法を活かしたデザインのプロダクトも取り扱っている。「POTTPROJECT」からは、フラワーベースの「Ceramic Vases」のほか、充電式LEDランプ「Nais」、そして吊り下げ式の照明シリーズである「SpongeUp」「Okina」などをラインナップしている。

「Ceramic Vases」はスペインの地で、「ろくろ」によって手作りで製造されているリアル・スタイルオリジナルの製品だ。


2階ではスペイン・バレンシアのアウトドアリビングブランド「ガンディアブラスコ」グループのテキスタイル・ラグブランド「GAN Rugs(ガンラグ)」のニューコレクションなどを展示した。パトリシア・ウルキオラ氏がデザインを手掛けた、アウトドアでも使用できるデザインラグ「MANGAS OUTDOOR」などの新作をラインナップ。アウトドアリビングなどの需要にも対応できるアイテムとして注目である。

同じく、スペインのガーデンファニチャーブランド「möwee」の製品展示に加え、ハンモックチェアの「コンフォルタ」も新ラインナップを展開。2004年にスペイン・セビリアで生まれた「コンフォルタ」は、コンパクトなサイズと分解可能なフレームにより、置く場所を選ばないハンモックチェア。新たに撥水加工を施し、ファブリックの仕様も変更しブラッシュアップを図るなど、多彩なラインナップを展開した。


リアル・スタイルは近年、ハウスメーカー関係などへのアプローチも強化している。鶴田代表は「リアル店舗をショールームのような形へと転換しながら、ハウスメーカーや百貨店、ディベロッパーさまへ向けた提案スペースに切り替えていきたいと構想しています」と語るなど、新たな形での空間・製品提案も模索していくようだ。

なお同社では今後、本社のある名古屋で2024年4月11日(木)および12日(金)の2日間、そして秋には大阪で新作展を順次開催する予定としている。

(佐藤敬広)