羊毛原料から各種製品を開発する長尾商事(本社・名古屋)は、住宅用断熱材エコールを日本で唯一、「羊毛100%」で製造する羊毛建材の企業だ。宮川祐輔・担当マネージャーは、最近の施主は環境や健康に配慮した次世代型・環境素材に注目することが多く、同社への問合せが増えているという。
しかし、昨今のエネルギーコストの上昇はあらゆる場所へ影響を及ぼしており、海外の牧羊農家の経営を圧迫し、原毛の洗毛加工費、コンテナ海上運賃、国内工場での断熱材製造コストなどを大きく押し上げていると悩みも多い。
同社としては住宅メーカーや設計会社などへ、その実情を丁寧に説明することで、施主への理解を求めるとしているが、すべてを価格転嫁することは容易ではなく、今後のエネルギーコストの動向を気にする。同社は既に世界各国の牧羊地域からアパレル用、カーペット用、寝具用、断熱材用の羊毛原料、約25~30万頭から取れるウール原料の買付を終えており、当面は日本のユーザーへの供給体制には問題は無いとしている。