
マルニ木工(広島市佐伯区、山中洋社長)は、2025年4月のミラノサローネでも発表した、深澤直人氏の「HIROSHIMA」モジュールソファや新作ラウンジチェア、ジャスパー・モリソン氏による「T&O」タスクチェアやワークデスク、セシリエ・マンツ氏のスクリーン「MAKU」などを、同社maruni osakaおよびmaruni tokyoで発表した。

ジャスパー・モリソン氏デザインの「T&O」には、新たにT&O T1 Task Chairが加わった。試作を重ねて完成した同製品。脚部は海外メーカーのアルミダイキャストを採用しつつ、ジャスパー氏が4本脚のデザインにこだわったという。キャスター付きで、回転機構および昇降機能(座面高さ442㎜~505㎜)を備えており、スムーズな移動が可能なモデルだ。価格もメープル仕様では10万円を下回ることもポイントの一つ。Maruni collectionにおいて、タスクチェアをラインナップするのは初のことだ。

なお、同シリーズの参考出品として「T&O Desk」および「T&O Office Table」も公開された。


天板裏側、配線などを通すスペースにはメッシュを張っている点も特徴だ。ジャスパー・モリソン氏がオフィスで用いているものをマルニ木工に提案し、商品化のために試作を行っているケースのうちの一つだ。商品化にあたっては、サイズオーダー可として開発を進めているという。

深澤直人氏デザインのHIROSHIMA ソファのモジュールシステムには「HIROSHIMA Angled Sofa ( モジュールタイプ)」が加わった。深澤氏の提案によって加えられたラインナップで、ヨーロッパのラグジュラリーブランドでもラインナップされている変形ソファのラインナップを、同社でも強化する。

高価格帯の商品の人気が高まりつつあるなか、大型のソファも主力ラインナップの一つとして訴求しながら、同社の世界観を示していく。海外のラグジュアリーブランドにも引けを取らないデザイン性と座り心地は、一つの強みであるといえるだろう。

なお、これに合わせるオープンシェルフも開発し、ラインナップに加えた。ファブリックについても、水で汚れを落とせる仕様やペット対応のものなど、ラインナップをより強化している。

ミラノサローネでも好評を博したのが「MEGURO Lounge Chair / Ottoman」だ。アクタス50周年を記念して開発・販売されたモデルを、このたびmaruni collectionで販売開始。

背クッションやジョイント部分など細部に改良を加えたうえ、新たにオットマンを追加して展開する。

木製の細みのあるフレームながら、安定感のある座り心地であり、これまでのmaruni collectionnにはなかったテイストがミラノでも注目を集めたようだ。

セシリエ・マンツ氏デザインの「shoto」シリーズには、SHOTO Bar Table + Stoolが加わった。





ハイテーブルと2種のスツールは、楕円形の脚や座面の細かな曲線など、繊細なデザインが特徴だ。様々な向きや座り方が可能で、多様なニーズに対応する。


また、「MAKU」は、吉野檜を使用したスクリーン。木製、ファブリック、和紙の3種類およびサイズも3種類から選択可能、仕切りの枚数も2枚および3枚から選択できる。空間を仕切って境界を生み出すことのできる製品だ。

日本の伝統的な障子と北ヨーロッパの建築ディティールを彷彿とさせる、和紙の透け感も特徴の一つで、可動式で様々な用途に用いることができる点が特徴だ。同製品は、この秋の販売開始を目指して開発が進められている。
(佐藤敬広)