【プロポステ2025レポート(2)】IMATEX、色合いのテーマは「健康と自然」

今年も5月6日から8日にかけての3日間、イタリアのコモ・チェルノッビオにあるヴィラ・エルバを会場に、ハイグレードなテキスタイル展「プロポステ」が開催された。

IMATEXは1960年に創業したジャカードを得意とするイタリアの老舗テキスタイルメーカーだ。家族経営からスタートしたが、現在では100名近い従業員を抱える中堅企業に成長した。今から2年前、同社はRino Mastrottoグループの傘下に入った。同グループ内ではプラダやクリスチャンディオールといったビッグネームファッションブランド向けを主要売り先とし、次いでボルボ、フェラーリ、アウディといった車両向け、そして3番目が家具用張地を主体としたファブリックで、IMATEXは家具用張地マーケットを主体として担っている。そのため、展示スペースはレザーを扱うElmoやCarrol Leatherを取り入れつつも、IMATEXのテキスタイルが中心となった形だ。

今年のプロポステに度々みられる傾向の1つとして、テラコッタなど自然由来の色合いやアースカラーがあるが、同社のテーマもこれに沿ったものだった。

マッシモ・マエストローニ氏

「今年のカラーテーマは、『健康と自然』としました。健康な肉体や、大地を想起するやさしい色合いを集めました。またそれとは別にブースのテーマとして、『創造には勇気が求められる』を掲げました。これはアンリ・マティスというフランスの画家の言葉で、目立つことへの勇気や、テキスタイルの力によって空間自体を芸術に変える挑戦を行う私たちにぴったりの言葉だと思っています」と同社のマッシモ・マエストローニ氏は語った。ブースには赤や茶、グレーなど柔らかく、落ち着いた色合いのコレクションが並んだ。

同社製品はいずれもハイグレードなクオリティと価格帯で差別化をはかっており、日本ではアルフレックスやカッシーナ・イクスシーなどのメーカーで採用がある。