――今年は中央エリアに家具がありますね。珍しい取り組みですが。
Mosiello 全出展企業に、ソファなどを用意し自社のテキスタイルを適用しての展示準備をお願いいたしました。バイヤーにとっては、そのテキスタイルが最終的にどのような使われ方をするのか、つまり最終材に適用された際、どのような見た目になるのかをもっと前面に出すべきだと感じたからです。特にアウトドア家具では、テキスタイルだけでなく、家具の形として見せたほうがより魅力が伝わるのではないか、と考えての提案でした。
――今年のスローガンについてコメントを頂けますか。
Mosiello 今年は、textiles to ideaとしました。黒の背景にピンクの電球をモチーフとしたデザインです。これには、プロポステにきて新しい製品をみることで、バイヤーの皆様にインスピレーションを与え続ける展示会でありたいという願いがこめられています。参加者様のテキスタイルコレクションにひらめきを与えられれば、主催者として嬉しく思います。
――弊紙が2年前に来た時はサステナビリティがトレンドでした。今年はどんなトレンドを感じますか。
Mosiello 2年前はコロナ禍ということもあって、抗菌などの機能や、世界的な潮流もあってサステナビリティが目立ちました。はっきりとトレンドがそこに見て取れたと思います。しかしコロナが終息した今、各企業が強みを活かした展示に立ち返り、トレンドは見えにくくなりました。だからといってサステナビリティを宣伝する企業が減ったわけでもありません。むしろその流れは今年もありますが、例えばエコテックス認証も出展企業にとってすでにスタンダードとなった感もあります。強いて言うならば、コントラクトの色合いが強く、またアウトドア向けの展示が多いと感じます。
――最後に、日本の弊紙読者にお伝えしたいことをお教えください。
Mosiello プロポステは3つの魅力で構成されています。1つはコモ湖、もう1つは歴史的なヴィラ、そしてこの展示会です。このプロポステはどれが欠けてもいけないと私は思っています。来場者の中には休暇を兼ねて1週間ここに滞在し、1日はここにきて仕事をし、残りは観光するという人も少なくありません。来場者の実に75%が海外からくる、大変国際的な展示会です。それらは、製品の素晴らしさだけでなく、ロケーションの影響も大いにあると思っています。
話は変わりますが、私にとって日本は特別な国です。私はアパレル展であるミラノ・ウニカにも携わっており、そこでは日本の方々や日本ファッションウィーク推進機構の方々とずっと一緒に仕事をしております。ですから、ホームリビングの読者の皆様、業界の皆様も是非一度来てほしいと思います。
(聞き手 長澤貴之)