De Negri Luxury(DNL)は、1790年より続くイタリアの老舗テキスタイル企業だ。今年もプロポステに出展し、Ala Larioエリアの1番地に構えた。中央エリアから入ってすぐの絶好のポジションだ。前回掲載したとおり、今年のプロポステは入口すぐの中央エリアにたくさんの家具用張地がサンプル展示された。同社は白い椅子に鮮やかな青と白で織りなすテキスタイルを展示した。輸出部門責任者のマッシモ・スパノ氏によれば、空の風車をイメージしたデザインだという。美しくも複雑な模様を製作できる技術力を訴求した形だ。
ブースには、展示サンプルに負けず劣らずデザイン性の強いテキスタイルが目立つ。シンプルなデザインのテキスタイルや人気のブークレ生地も用意するが、デザイン性を重視した展示構成。中でも目を引いたのは、ホームテキスタイルや家具用張地にも使えるもので、流れるような光沢が表現されたものだ。一見すると光の反射により、さざなみのような光沢感が見えるかのように錯覚するが、実は糸を部分的に変えることで人工的に再現しているものだ。
その他、ドア・入口への使用を想定した、カーテン特有のたわみに見えてたわみのないテキスタイルもあった。これも使用する糸を部分毎に巧みに変えて、テキスタイル上で陰影を表現し、立体感が感じられるようにしたものだ。縦長の窓への使用も可能で、限られた住居スペースに演出をもたらすという。
また、プリントに見えるジャカードも来場者から強い関心を集めた。
特色あるデザインを数多く有するが、日本との取引はほとんどないという。背景には、メートルあたり20から30ユーロという高単価が理由にあるが、「ここでしか手に入らないデザイン性、技術力を今回の展示会で十分に訴求してきたい、日本ではコントラクト市場での採用を検討してほしい」と前述の同氏は語った。