シモンズ(東京都港区、二ツ谷一弘社長)は、旗艦店であるシモンズギャラリー東京の開設7周年を記念し、「中嶋大道の河童たち」展を11月20日から12月16日まで開催している。会場はヒューリックスクエア東京1階のシモンズギャラリー東京(東京都千代田区有楽町2-2-3)。
会場には、高さ2メートルの大型作品「LIFE」をはじめ、数十センチの作品まで約20体のステンレス製河童彫刻が並ぶ。相撲をとる河童、キュウリを盗りに行く河童、ニジマスをつかまえる河童、山登りする河童、大きなウナギに乗る河童など、ユーモラスなモチーフを取り入れた作品群が、有楽町の街並みに軽やかなアクセントを添えている。
作者の中嶋大道氏は、長野県安曇野市在住のステンレス彫刻家で現在81歳。大自然の中で制作された河童たちには、作家自身の少年時代の記憶や、見る人それぞれが心に持つ「ふるさとの原風景」への想いが込められているという。「安曇野や 河童飛び込む 水の音」「八景良い 残った残った」「河童の鰻のぼり」といった俳句調のタイトルも添えられ、作品世界を印象づけている。
展示の背景には、「現代人は非論理的なものを信じなくなった」という問題意識がある。ニュースやウェブサイトから要点だけを素早く得る生活様式や、AI活用の進展により、自ら想像力を働かせる機会が減っているとの指摘は少なくない。一方で、日本では古くから、目に見えない存在に物語を見出し、暮らしの教訓や生き方の指標としてきた歴史がある。全国各地で語り継がれてきた河童伝説も、その一つだ。
中嶋氏は、河童を通じて「少年時代や青春時代の思い出、ふるさとを思い出してほしい」と語る。シモンズは今回の企画展について、来場者が作品をきっかけに想像力を膨らませ、「懐かしい」と感じる原風景に出会い、思わず笑顔になるような体験の場にしたいとしている。





