コマ(東京都武蔵村山市、松岡茂樹代表)は、日本の伝統的な手道具を駆使した家具づくりで知られるブランド「KOMA」から、初のロッキングソファ「rocking sofa」を発表した。椅子づくりで培ってきた「座り心地」「触り心地」に、新たに「揺れの心地よさ」を加えた意欲作で、同社が掲げる「あなたと共に生きる家具」というコンセプトを象徴する“一生もの”の一脚として位置づける。
ロッキング機能を持つ椅子はこれまでも試作段階では存在したものの、KOMAとして製品化に至ったのは今回が初めてだ。デザイナーであり家具職人でもある松岡氏は、従来のロッキングチェアについて「揺れることで、座面や背もたれなど各部の設計バランスが崩れてしまうのではないか」という違和感を抱いてきたという。その発想が転換したのは、「ロッキングするのが“チェア”ではなく“ソファ”なら、頭まで全身を預けられる揺れが心地よさにつながるのではないか」と考えたことが契機となった。
「rocking sofa」は、頭部まで支える背の高さと余裕ある座面を備え、身体全体を包み込むような座り心地を前提に設計。そこにKOMAの代名詞でもある滑らかな削り出しの無垢材フレームを組み合わせ、肌に吸いつくような触感と量感を抑えた造形を両立させている。松岡氏は「必要な機能を追求したうえで、それに関わらない要素を削り落としていくと自然と美しい形が現れる」と語り、過度な造形的主張を避けた“引き算のデザイン”を貫いた。
ロッキングの要となる脚部は、弓状にカーブした無垢材の前方・中間・後方それぞれの曲率を何度も削り直し、前脚と後脚の長さや位置関係を微調整しながら、理想的な重心バランスを模索。ゆったりとした揺れを生みながらも、後方に傾きすぎて不安を感じさせないよう、一定の角度で「コツッ」と床に当たるストッパー機能を持たせた。さらに、人が座っていないときは自然と揺れが収まり、静かに佇む状態になるよう配慮されている。
少量生産で職人が仕上げるKOMAの新作ロッキングソファは、高付加価値なリビング提案の一つとして、インテリアショップや設計・デザイン事務所からの関心も高まりそうだ。詳しい仕様や受注については、同社公式サイトの製品ページで公開している。





