AKASE GROUP(岡山県里庄町、藤井幸治社長)は、カフェ機能を家具販売の集客装置として位置付け、直営拠点での運営実績を踏まえた「ショップインショップ」形態のカフェ導入提案を販売店向けに進めている。1月の大川家具新春展における同社出展ブースでは、店舗内でのカフェ運営をパッケージ化して提案し、レシピや運営ノウハウなど開業支援も含めて展開する方針を打ち出した。導入時は同社のショップネームでの運用を想定し、同社ウェブサイトへの掲載、コーヒー豆などの供給も含めて支援するという。

近年はカフェスペースで仕事をする利用者も増えている点を挙げ、工場周辺など飲食店が少ない立地でも、カフェを設けることで来店動機をつくりやすいと説明した。家具店に対して心理的な敷居の高さを感じる層に対しても、カフェ併設が来店のハードルを下げる効果があるとみており、カフェ事業の拡大を小売店支援策の一つに据える。

直営拠点では、岡山で展開してきた「カフェ ザ グレイトレイクス」を「masterwal COFFEE(マスターウォールコーヒー)」として2025年8月9日にグランドオープンした。

横浜では、「ランド オブ マスターウォール 横浜」店内で運営していたカフェ「walno(ウォルノ)」を、岡山の「masterwal COFFEE」の姉妹店として2025年11月22日に「MASTERWAL cafe(マスターウォールカフェ)」としてオープンした。
店舗名の使い分けは厨房機能の有無が基準で、厨房を備える岡山を「コーヒー」、厨房機能がない横浜を「カフェ」としている。横浜のメニューで提供するチーズケーキは岡山から運ぶ運用で、拠点間での供給体制も組み立てている。

同社の松田智史氏は、同社のカフェスペースで仕事をする利用者が増えていることに触れ、工場周辺など飲食店が少ない立地でも「カフェを設けることが集客につながる」と話す。インテリアショップに対する来店の心理的ハードルを下げる効果も見込み、カフェを「ユーザーとの接点を増やす場」として事業拡大につなげる考えを示した。岡山では、グーグルマップ上のルート探索で「カフェ目的」が月2000件程度あるようだ。
商品体験の面でも、カフェは提案の核に据える。松田氏によると、店舗内で実際にMASTERWALの家具を使ってもらうことで、ブランドの世界観を体感する導線をつくりやすいといい、岡山のカフェでは配置家具にバリエーションを持たせ、こたつの展示も行うなど、滞在の中で什器に触れる機会を増やしている。
大川家具新春展における販売店向け提案では、地方の中小家具店からの反応が目立ったという。松田氏は、集客に課題を抱える店舗ほど関心が高いとし、導入に必要な面積は「最低16~17平方メートル」を目安に挙げ、厨房を設ける場合は「20坪程度が最低ライン」との見立ても示した。岡山のカフェは敷地80平方メートル。

同社は2026年4月の大川での展示会でも、カフェ提案を改めて行う予定だ。直営での新規カフェ出店は、名古屋など大規模店であれば検討余地はあるとしつつ、現時点で具体計画はないとしている。松田氏はまた、会社方針としてコントラクト商材の強化を掲げ、カフェやオフィスで使える商材を増やす必要があるとの認識を示した。家具販売の来店動機が多様化する中、飲食を介した滞在価値の提供と、什器体験を結び付けた取り組みが小売支援策として広がるかが注目される。





