アルフレックスジャパン 「ARFLEX ReStore(アルフレックス リストア)」を二子玉川蔦屋家電内にオープン リペア、リユースなどを手掛ける新業態店

アルフレックスジャパン(東京都渋谷区、保科卓社長)は2023年7月19日、「ARFLEX ReStore(アルフレックス リストア)」 を二子玉川ライズS.C. テラスマーケット「二子玉川 蔦屋家電」(東京都世田谷区)にリニューアルオープンした。同店は2015年に蔦屋家電内にオープンし、このほどリニューアルを行った。

アルフレックスジャパン 保科卓社長

リニューアルオープン初日のプレスプレビューでは、アルフレックスジャパンの保科卓社長が挨拶し、リニューアルの経緯などを説明。「2015年にここに開店する前は、元々は恵比寿の店舗の小型版を開設しようと考えていた。8年前にこの二子玉川の蔦屋家電ができた際、当社のこの店舗も一緒にオープンしたが、しかしながらこの店舗で働いているスタッフも、恵比寿の店舗の小型版とはなにか少し違うのではないか、という思いがオープン以降はあった」と話した。二子玉川エリアは元々、古くからの同社のユーザーが多く住んでいる地域であったため、「当社の恵比寿の店舗とは異なり、修理やメンテナンスのオーダーがとても多い地域だった」と保科氏は話す。また、既に同社の製品を使用しているユーザーからの買い足しの需要なども多く、恵比寿の店舗とは全く異なるユーザー層や売上の構成となっていたようだ。

一方で保科氏は、昨今サステナビリティに対するユーザーの興味関心が高まってきていることにも言及したうえで、「1969年の創業当時から、良いものを、手を加えて長く使っていこう、という企業理念があり、製品としても重要な項目だった。昨今の流れも踏まえて、せっかくだからそのような活動を表現できるような場所を作ったらどうか。恵比寿の店舗の小型版ではない、”サステナビリティ”や”アート”など、身の丈に合った敷居の低い店舗を設けたいと考え、今回思い切ってリニューアルした」と述べた。

続いて、店名のReStore(リストア)にちなんだ、4つの「Re」の活動について説明。1つ目「Repair(リペア)」は、修理・メンテナンスが迅速に対応できる点を訴求する。アルフレックスジャパンは、同店から車で10分ほどの距離に、クオリティセンターと呼ばれる物流拠点を構えている。クオリティセンターの中には小規模な工場を併設しており、その工場で同社製品のメンテナンスを行うことが可能。ユーザーから修理依頼を受けると即座に対応できる体制が整っている。

2つ目は「Refresh(リフレッシュ)」。昨年よりスタートしたアップサイクルの取り組みだ。ユーザーによっては、子供も家から離れたことで大きなソファが家庭に必要ではなくなり、小型なものに替えたいといったライフステージの変化に応じたニーズが存在する。同社ではそのニーズに応えるべく商品の下取りを手がけているが、この「リフレッシュ」の取り組みでは、下取りした商品を一度解体。使用可能なパーツのみを残し、新たなパーツと組み合わせてアップサイクル商品を提案している。価格も廉価な価格で設定しており、好評とのことだ。かなり古い時期に製造され廃番になっているような製品でも戻ってくるが、同社では全ての製品の型紙をとっているため、過去の製品でもメンテナンス・再生が可能な点を訴求する。

3つ目は「Resale(リセール)」。同社のショールームである「カーサミア河口湖」(山梨県鳴沢村)において期間限定・予約制で行ってきた、ディスプレイ製品のアウトレット販売を、リニューアルオープンした二子玉川の店舗で行う。河口湖のショールームでも人気のイベントであったが、首都圏からもやや距離があるうえ期間も限定されていることや、その期間の前後も含めて通常のアテンドを行うことが難しくなるという課題があった。「アルフレックス リストア」ではこのリセールを常設で行うことが可能となり、展示品を常に販売できる状態を初めて整えることができた。同社の商品は受注生産対応をとっているが、リセール品は目の前にある現品を購入することが可能であり、すぐに納品できるというメリットがある。これらの商品は、定価よりも価格を抑えた設定で販売するという。

最後の項目は。「Reuse(リユース)」。ソファ製造時に出た端切れを使用した、身近なインテリア雑貨などのアイテムを販売する。同社は2013年に社内でエコプロジェクトを立ち上げ、チャリティーイベントに出展する際などに端切れを使用したアイテムを製造してきた。

立ち上げから10年が経過しリユースでのアイテムラインナップも充実してきたことから、この活動をさらに広げるためにルームシューズやトートバックなどのアイテムを、初めて常設の店頭に並べて販売する。

以上の4つの項目のほか、アートプロジェクトやコラボレーションイベントなども企画しながら、同社の恵比寿の店舗とは異なるコンセプトで運営を図る。リユースでの雑貨系アイテムの常設販売は同社でも初めての試みだ。

店舗面積も約70坪と、リニューアル前と比較して約10坪拡大し、より多様なニーズに対応可能な店舗へと変化を遂げた。今後は同店の推移を見ながら、既存他店舗のリニューアルも模索するようだ。

(佐藤敬広)