「2023飛騨の家具®フェスティバル」キックオフイベント FabCafe Tokyoで開催 

 飛騨の家具®フェスティバル実行委員会、協同組合飛騨木工連合会(岐阜県高山市、白川勝規理事長)が主催する「2023飛騨の家具®フェスティバル」のキックオフイベントが8月31日(木)、FabCafe Tokyo(渋谷・道玄坂)にて行われた。イベントの主催は、飛騨の森でクマは踊る(ヒダクマ:岐阜県飛驒市、岩岡孝太郎、松本剛代表)。司会は井上彩氏(ヒダクマ取締役)が務め、飛騨木工連合会の北村卓也氏(日進木工社長)、岡田明子氏(飛騨産業社長)、柿下孝司氏(柿下木材工業所代表)の3名が、フェスティバルの見どころとともに、飛騨地域の木のものづくりの魅力について語った。

 「飛騨の家具®フェスティバル」は、毎秋岐阜県の高山市で開催される家具の祭典。今年も10月21日(土)から25日(水)の5日間、飛騨・世界生活文化センター(メイン会場)、高山市・飛騨市内の各企業ショールームで開催される。

 同展のメインテーマとして、飛騨デザイン憲章第2条「人がつくる~人がつくり、人をつくり、人とある~」を掲げる。メイン会場では、飛騨・高山の新作家具展示を実施。飛騨木工連合会が誇る、伝統に培われた確かな技術を持つ各企業が、それぞれの持ち味や得意分野を生かし、洗練されたデザインと匠の技を紹介する。また、若手建築家の「tamariArchitects」と「ヒダクマ」とのコラボレーションによるテーマブースも見どころのひとつ。

 10月21日(土)と22日(日)は「飛騨つくり手市」と題して、飛騨で活躍している作家が出展し、クラフト等の販売を企画している。メイン会場のテーマブース内で、ガラス、小物、陶、樹皮細工、アクセサリー、彫刻など、13組のつくり手が参加し展示。気に入った作品は購入できる。飛騨のクラフトと出会う買い物とともに、職人との会話を楽しめる貴重な機会となる。

 さらに、昨年も好評であった飛騨の家具にゆかりを持つゲストを迎えたトークショーを企画している。概要、日程は次の通り。

▽10月21日(土)10時~〈飛騨のものづくりとまちづくりを考える〉:高山市・田中市長×渋草柳造窯・戸田柳平×木工連・白川代表理事
▽10月22日(日)13時30分~〈生物多様性とものづくり〉:徳地直子(京都大学フィールド科学教育研究センター教授)
▽同、14時30分~〈広葉樹活用サミットin飛騨〉:長野麻子(㈱モリアゲ代表)×林千晶(ヒダクマ会長)×岡田明子(飛騨産業社長)
▽10月24日(火)14時30分~〈異業種メーカーの技術者〉:桝井敦(飛騨産業デザイン室)、柿下孝司(柿下木材工業所代表)
この他、期間中多様なトークショーを連日開催する。

 飛騨産業の岡田社長は、21日(日)に行われる広葉樹サミットについて、「男性がほとんどを占めてきた林業業界だが、女性が語ることで今後を示唆していくトークショーになるだろう」と語った。
また、23日(月)にバスでめぐる「飛騨の森ツアー」を実施予定。さらに、24日にはBtoB向けのふれあいパーティーを開催。来場者に向けて地酒がふるまわれる。このほか、サブ会場となる各社ショールームにおいても、土日を中心にイベント・ワークショップが行われる。

 本展示会には、企業以外にも地域の大学やデザイナーなど、様々な業界関係者が訪れる。ヒダクマの井上取締役は、昨年同展示会に参加し、家具メーカーを起点として木材流通の形が変わる可能性を感じたという。今年も出展者や参加者の垣根を越えた交流により、木製家具の魅力が広まるとともに、様々な木材流通の形が新たに生まれると場となるだろう。ものづくりの産地としての魅力を発信する「飛騨の家具®フェスティバル」は、今年も見ごたえのあるイベントとなりそうだ。

(竹下未由稀)