筑波産商 2023年秋の新作発表会を開催 市場性高い付加価値商品を展開

 筑波産商(埼玉県川口市、鶴見伸夫社長)の新作発表会が、2023年9月4日から6日にかけて、同社本社の総合展示場で開催された。今回は、5月の発表会にサンプルとして出品した製品を、商品性を重視して革新。それらを軸に、取引先販売店が販売増進に繋がる「売れ筋」を全面に展開した。また、開発中の試作製品も展示、来場したバイヤー、販売店経営者らの意見、反応をもとに商品として仕上げていくとした。

「セラーノ」ダイニングテーブルセット

 前回の新作発表会ではセラミック製品を中心に打ち出して評価を得たため、既存の製品に加えて今回も展示した。セラミック天板を使用したダイニングテーブルは、インテリア業界で数年前から流行、同社でも注力してきた。

 さらに他社との差別化を図るため、以前から販売している〈グラナダ〉シリーズのダイニングテーブルを、7月からサイズとカラーの特注対応を開始した。既存の90センチ、150センチ、165センチに加えて、135センチと180センチが選択可能となっている。色柄は既存のストームグレイとホワイトクオーツにアッシュグレイが追加され、全3種類となった。

 また、L字型に組み合わせて使えるデスク〈ローゼン〉も今回新たに追加した。セラミックを用いた天板によってホームオフィス空間に高級感を漂わせる。

 セラミックと同時に人気が高まっているメラミン天板の新作も展示。メラミンはモダンなデザイン性とともに耐熱性、耐久性、耐汚染性といった機能性も兼ね備えており、ダイニングテーブルとしてのニーズが高まっている。

 さらにインテリアのトレンドとして、異種素材の複合活用が広まっていることから、同社では側面に木、天板にメラミンを使用したダイニングテーブルシリーズ〈エボル〉を今年10月より発売する。メラミン天板は全9色から、脚部は素材と形が異なる全5種類から選択でき、テーブルのサイズオーダーも可能となっている。自然素材の木と、人工素材のメラミンやスチールなどを組み合わせることで、スタイリッシュで、かつ温かみのある空間を演出する。

 また、市場で人気のある「こたつダイニングテーブル」〈ステルス〉に、新たにメラミン素材の天板が登場。こたつ布団無しで使用できるので、モダンな印象を保ったまま温まる特性をもつ。

 さらに、今回の新作発表会では電動昇降デスクシリーズ〈モース〉も好評を得ているという。(海外事業部・田中暢氏)。電動昇降デスクはボタン一つで簡単に高さを変えられるため、リモートワークなどで長時間同じ姿勢が続く方に勧める商品だ。高さは約72センチから約119センチの範囲で調節可能、使用者の身長や用途に合わせて変えることができる。この商品は今年9月より販売開始した。

 テーブル・天板の他にも多彩なソファや椅子が展示されたが、中でも本紙が注目したのは背もたれとフッドレストが別々に動かせる2モーターの電動パーソナルチェア〈カルミア〉だ。一般的な電動ソファは2人掛けからの商品が多い。これをパーソナルチェアにすることで、スペースが限られていてもコンパクトに置けるようになっている。また、USBポートがついているためスマホの充電をしながらくつろぐことができる。

 自社ブランドの製品以外ではコイズミの学習机、東京シンコールのスウェード調にファブリックを加工した商品が展示された。

 筑波産商の個展は全般にわたり、この先の需要を見据え、消費者のニーズを捉えた展示商品となり、取引先販売店の付加価値を高める志向がみられた。