JID「次世代を担うデザイン展」2023 多摩美術大学およびカンディハウスが次世代デザイン大賞を受賞

JID「次世代を担うデザイン展」2023が、11月2日から11日にかけて、新宿パークタワー1階アトリウム&2階オープンデッキで開かれた。主催は公益社団法人日本インテリアデザイナー協会(JID:東京都新宿区、丹羽浩之理事長)。

「次世代を担うデザイン展」は、デザイン系大学の学生を中心に、創造力とチャレンジ精神にあふれたデザイン作品を紹介する企画として、インテリア産業の活性化や、将来のデザイナー育成に寄与している。今回は優れたデザインを求める業界と、デザイン系学生が交流する機会を創出するため、大学と企業の産学共同出展となった。

出展社は、工学院大学+㈱スペース、芝浦工業大学+山田工業㈱、多摩美術大学 ㈱カンディハウス、東京造形大学+プラス㈱、日本大学+㈱ホテルサンバレー。作品テーマは「伝+: Tsutaeru Plus」。アートとデザインの境界線からの提案としての生活装置としてキーワードを解釈し、さまざまな事象を具現化したうえで、コミュニケーションを生む“もの・こと”を提案した。また今回は、親子参加型のミニワークショップや、ゲストに喜多俊之氏を招いた、イベント参加大学および企業のトークセッションも行われるなど、活発なイベントが展開された。

丹羽浩之理事長

最終日には優秀作品の表彰式と講評会が催された。式の冒頭では、JIDの丹羽浩之理事長が挨拶。「次世代を担うデザイン展は、コロナ禍のため3年間が開いてしまいましたが、これを機会に今回は企業との産学協同で何かできないかということで、大学の先生方に声をかけさせていただきながら、今回のような内容になりました」と話す。自らの経験談を踏まえたうえで、「企業さんと話し合いながらモノをデザインしていくのは、社会人として仕事をし始めると当たり前になります。しかし学生の頃にこの一端を体験して、コミュニケーションを通してチームで議論しながら物事を進めていくという体験ができるという意味でも、産学共同の取り組みはためになると思います」と挨拶した。

次世代デザイン大賞は多摩美術大学&カンディハウスが受賞した

続いて表彰にうつり、各賞の受賞者に対してトロフィーが授与された。なお、次世代デザイン大賞には多摩美術大学環境デザイン学科および、パートナー企業となったカンディハウスの展示が選ばれた。15人の学生一人一人が、2か月の期間のなかで設計から製作までの全工程を手掛けた展示。パートナー企業であるカンディハウスは、木材の紹介および椅子づくりのレクチャー、完成作品へのアドバイスを行った。

次世代デザイン大賞を受賞した多摩美術大学とカンディハウスの展示について、丹羽理事長は「元々椅子のプロダクトを作る授業の一環の中で、材料や実際の製造現場などを見ていく中で、産学連携という流れが既にある程度できていたようです。カンディハウスさんはJIDも深くかかわりをもたせていただいているメーカーさんですが、大学の授業でこのようなことを行われているのが羨ましいなと、私自身も思いました。全体的な展示自体の整然とした形と素材を極限まで絞り込み、この材料の中で作りましょうというテーマというのが、展示自体を整然とさせている要素だなと思いました」とし、「各学校でテーマは違うかと思いますが、ぜひ他の大学の学生さん同士で交流していただくような場にしていただけるように。大学対抗で、だからできることを、是非取り組んでいただきたいなと思います」と講評した。

今回の審査員は次の通り。
▽審査員:海老沢 宏(JID理事)、川上玲子(JID理事)、近藤康夫(JID選考委員)、清水忠男(JID選考委員)、キート・オング(Asia-Pacific Space Designers Association:APSDA会長)。

以下、出展作品。


工学院大学+スペース


芝浦工業大学+山田工業


多摩美術大学+カンディハウス


東京造形大学+プラス


日本大学+ホテルサンバレー