インドトレンドフェア東京2024開催 インド全土から企業が集結 秋冬シーズンの商材並ぶ

「第13回インドトレンドフェア東京2024」が1月16日~18日までの3日間、ベルサール渋谷ガーデン(東京都渋谷区)で開催された。主催は日印国際産業振興協会(JIIPA/東京都港区、ゴドガテ・プラシャント理事長)。

アパレル、テキスタイル、ホームファニシング、クラフトなどインド全土から約80社が集結。冬展としては最大級の規模となる。メーカーだけでなく商社なども出展し、来場者のニーズに合わせた提案を行い、商談は盛り上がりを見せた。

インドの伝統的なものづくりから、秋冬に向けたアイテムを展示した。「夏物製品だけでなく、冬物製品も製造可能であることを示すことができた」とプラシャント理事長は話す。インドの生産の多様性を来場者にアピールした。新製品、素材開発を通し、出展社は大きな成果を目指した。

インドは世界的な繊維産業の市場として、綿、ポリエステル、シルクなど世界でも有数の生産を誇る。世界最大級の製造拠点を有するインドはテキスタイルのバリューチェーン全体の製品のリソースを完結できる優位性を持つ。さらにインドでは、政府主導でテキスタイルのパークプロジェクトを実施している。一拠点で行うバリューチェーンにより、インドの競争力を高めていく。

初日にはオープニングセレモニーを実施。ウール&ウーレン輸出促進協議会(WWEPC)のロメシュ・カジュリア会長が開会の辞を述べた。「インドテキスタイルが日本市場に進出することはインドにとって非常に重要な資源であり、持続可能な経済成長だ。これを強化し、文化同士のつながりを大切にして日本とインドの交流が深まることを望む」と話した。

ゴドガテ・プラシャント理事長は、2月26~29日にインド・ニューデリーで開催される国際総合繊維・ファッション展示会「バーラト・テックス2024」を紹介、説明した。 

シビ・ジョージ駐日インド大使は「インドは交通、経済とさまざまな点で成長を遂げている。その中でもテキスタイル業界は急成長を遂げており、技術も急成長している」と述べ、プラシャント理事長が説明したバーラト・テックス2024について、「日本と急成長を遂げているインドの交流の会、未来に繋がる場になることをとても嬉しく思う」と話した。

同展の展示会出展社を紹介する。

ジャイ・ジャパンは、インド伝統のキルト織り「Reva Sujni」を出品。インド伝統技術の再興を目指す。

収入の低さから同技術を担う職人が減少している。従事者はインド全土で100人にも満たない現状だ。担い手を育成していくため、職人が技術を教える場を設けるといった伝承に向けた取り組みが行われている。10人ほどが新たな伝統の担い手として育ち、徐々にではあるが、作り手が増えているという。

手織りで織り上げていくため、製作期間を要するが、カスタムオーダーに対応することが可能。ラグやクッションカバーなどを製品を展開することができるという。

糸の染色は、玉ねぎやビートルートといった野菜を使用して染色。オーガニックで優しい色味が空間を彩る。

日本人も多くブースに訪れ、反応も良かったようだ。日本の大手小売店も訪れ、興味を持たれたという。

販売価格は300米ドルから1000米ドルを想定。大きさや刺繍やデザインに装飾を加える場合は、料金が変わる。

Rama Handicraftsは、1974年設立。テキスタイルや服をメイン製品にクッションカバー、バックなども製造する。OEM製造を行う他、オリジナルデザインを展開する。

日本とは1988年からビジネスをスタート。海外ビジネスのほとんどを日本と行っている。日本語を話せるスタッフがいることで、日本の顧客とのコミュニケーションに立ちはだかる壁が少なく、日本企業と長期的関係を築いている。

機械織り、手織り両方のスタイルで製造するが、クッションカバーはハンドメイドで製造。素材はインド綿を使用する。

KISHORILAL SHYAM SUNDER PRIVATE LIMITEDはアパレル、スカーフをメイン事業にしているが、2年前から事業拡大のため、テキスタイル小物の取り扱いを開始。

長年取引のあるヨーロッパの顧客に新たな提案として、バックを開発。アパレル、スカーフの素材や技術を生かす。

50年以上にわたり日本とビジネスを実施。インド人に加え、日本人デザイナーも在籍しており、日本のトレンド情報が収集しやすく、好みを製品開発に生かしている。また自社工場があり、競争力のある価格を提案することができることも強みとする。

Shun CoTrading(シュン カンパニー)はインドでの生産を管理しており、インドでのビジネスがスムーズにいくようサポートする。

生産が開始されれば、工場の現場に訪れ、進捗状況を確認。検品や出荷、納品まで行う。海外生産で生じる意志疎通の難しさ、商習慣の違いなどのリスクを抑える。

同社ブースでは、ラグ、タオル、ファブリックス製の小物入れなど生産管理を手がける製品を展示。インドでは冬物用アパレルの生産も活発化してきており、インドの技術力の変化が見られている。また、プリント技術もレベルが上がっているという。