一般社団法人日本ボランタリーチェーン協会(東京都台東区、井原實会長)は2024年1月22日、東京都文京区の東京ドームホテルで令和6年新春賀詞交歓会を開催した。スーパーマーケットやドラッグストアをはじめ、同会副会長である家具インテリア業界最大のVCチェーンであるジェフサから村内健一郎氏(㈱村内ファニチャーアクセス社長)、寝具の西川から西川八一行氏(西川㈱会長兼社長)など、あわせて約200名のVC業界関係者が参加した。
当日は2部構成で、第一部では2名の講師による記念講演会が行われた。リクルートワークス研究所の古屋星斗氏は「未来予測2024」と題し、今後日本で2040年までに1100万人の人手が不足し、建設や物流、介護職や教員、薬剤師、自衛官、警察官などが足りなくなり、全国のほとんどの自治体で通常の日常生活ができなくなる恐れがある。この人手不足は、今までのように労使の需給バランスや景況が原因ではなく、高齢者が多くを占める人口動態そのものに起因するものだと分析。そしてこの人手不足は、世界で初めて日本が直面するもので「労働供給制約」と呼ぶべき深刻な状況だと指摘した。解決には、AIやDX等による徹底した自動化・機械化のほか、特に高齢者が社会的に有意義な仕事を、やれる範囲で短時間でも楽しみながらできるかどうかだと提案した。
また日経新聞社調査グループ調査担当部長の白鳥和生氏の講演テーマは「人財を生かす企業経営」。企業で中間管理職にあたる40代~50代の男性の幸福度が低いが、幸福度が低いと仕事のパフォーマンスが低下し、企業の業績に悪影響を及ぼしかねないと指摘。日本企業では多くの管理職が現場の実務もこなすプレイングマネージャーであり、業務に追われ幸福度が低いことが企業のパフォーマンス低下につながっているのではないかと分析した。職場のウェルビーイングと組織のウェルビーイングの改善に取り組み、社員の幸福度を向上させる努力は、社員のためだけではなく、自社の成長発展のためにこそすべきだと強調した。
以下、令和6年日本ボランタリーチェーン協会新春賀詞交歓会懇親会あいさつより。
日本ボランタリーチェーン協会会長 井原實氏
「昨年6月に本会会長に就任したが、VC協会の原点にもう一度立ち返り、協会の存在価値や目的は
何だろうとこれまで皆で議論して進めてきた。3つあると考えていて、第一にやはりVC協会としては、会員のVC本部やそこに属する会員企業の皆さまの発展に寄与できるような行動をしていこうと。ボランタリーチェーンというのは、これから日本で中小企業がみんなで一生懸命頑張っていくために、大変必要な形態であり、そのことを広く世の中の人に理解していただきたい。つまりVCの普及と、VC本部及び加盟企業様の発展が重要だと議論のなかでまず確認した。」
「二つ目に協会の活動として何をやるのか。一つは、やはり会員の拡大、チェーンに属している企業さんを増やすということと、ボランタリーチェーン本部で、新しく作られるところの支援をしていく。それからそこに属している人たちの教育。今日の講演でも白鳥さんの人的経営というお話があったが、教育に力を入れて、やはり人を大切にして、人を生かしてやっていかないといけないので、教育に力を入れましょうということ。」
「3番目に広報。VCをご理解いただく。今まで会員拡大のために、VCフォーラムをやってきたが参加社が少なく、本当にやる価値があるのかということで見直した。今年から、日本フランチャイズチェーン協会が3月に開催するショーにブース出展することにした。また今までの各VCの実態調査のやり方を変え、VCの実態と、何をVCの本部は望んでいるのか、しっかりデータをとって調査して新しい数値を公開したうえで、日本のボランタリーチェーンの実態を見ていただこうと考えている。」
「今年は混とんとして、先が見えない状況にあるが、協会としては、このようにいま一度基本に立ち返って色々なことをやっていくので、本日お集りの皆さんのご意見、そしてご支援を賜ればと思っている。」