香港貿易発展局 「Home InStyle(ホーム・インスタイル)2024」 約2万4000人が来場

香港貿易発展局の主催する「Home InStyle(ホーム・インスタイル)2024」および、ファッションインスタイル展が2024年4月20日から4日間、香港コンベンションアンドイグジビションセンター(HKCEC)で開催された。

今年のホームインスタイル展は合計2万6000㎡の出展規模で、前年から約3割増と拡大。16の国と地域から約1750の出展社が一堂に展開した。食器等のテーブル・キッチンウェア、収納、鏡、時計、装飾などのハウスウェア、プランター、植木などのグリーン製品、そしてテキスタイルなど、住まいにまつわるあらゆる製品が会場を埋め尽くした。荒天ながらも国内外から多数の来場者が訪れ、最新の製品やトレンドをめぐって活発な商談が行われた。

ホーム・インスタイル展は、香港コンベンションアンドイグジビションセンター(HKCEC)の1階と3階のフロアを使って開催された。4月20日から30日にかけての11日間を、ライフスタイル製品展の開催期間と位置づけ、全部で7つのトレードショーが立て続けに開催された。ホームインスタイル展・ファッションインスタイル展の2つは、7展の先陣をきって20日から23日までの開催。会期中、約100か国の国と地域から、2万4000人の来場者が訪れた。

4月に新条例を施行 環境配慮製品拡大へ

おりしも、香港では4月22日からレストランやカフェ等での使い捨てのプラスチック食器の提供を禁止する条例が施行された。そのため環境に配慮した製品の展示や、個人用の携行食器なども注目を集めた。
会場では中国本土からの出展の他、台湾、インド、タイ、日本など12か国のパビリオンが設けられた。日本パビリオンは中小企業基盤整備機構主導のもと、青森県、茨城県、山形県が伝統工芸品を出展。いばらき組子や津軽塗り、裂き織り、山形鋳物の砂鉄瓶など、日本固有の伝産品他、珍しいアイテムが来場者の注目を集めた。

キーオピニオンリーダーのライブコマース

展示された製品群は家庭用品を中心に多岐にわたり、食器(皿・カトラリー・コップなど)、調理器具、清掃用品、浴室用品、室内用装飾、小型収納、家具、グリーン製品、ペット用品、アウトドア用品など。香港では4月22日からプラスチック食器の無償提供が条例で禁止され、環境配慮製品や、携行食器への関心が高まり、関連展示品も多くみられた。また、香港・中国や台湾で影響力を高めているキーオピニオンリーダーによるライブコマースの様子も随所で見受けられた。これまでハウスウェア製品は、大型販売店や百貨店、卸売り業者による購買が主だったが、近年では小物の製品を中心にオンラインでの直接購買が顕著になってきた。ライブコマースの台頭はその最たる例と言える。

会場内では製品カテゴリごとに出展ブースが並んだ他に、2つの特色あるテーマゾーンが設けられた。
「ホールオブエレガンス」のゾーンにはデザイン性に富む製品が集められた。日本で見ることのできない虹色の食器や、カラフルなガラスの陶器、ビーズで装飾されたマグカップなど、若年層の嗜好をとらえ暮らしを華やかに彩るアイテムが多数見られた。

カルチュラルアンドクリエイティブコーナー

日本パビリオン、伝統工芸品に注目
「カルチュラルアンドクリエイティブコーナー」では、独自の文化性を持たせた製品群を集めた。約50社がここに出展し、中小企業基盤整備機構主導の日本パビリオンも同エリア内に創設。香港では日本製品の人気は相当高く、日本の魅力を受け入れられやすい同地域の利点を活かして情報発信が行われた。また、色見本帳で有名なパントン社によるトレンドカラーの解説も見られるなど個性の強い展示となり、とりわけ多くの来場者を惹きつけた。

また、今年より新たにホームテキスタイルのゾーンも設けられ、インドや中国の企業を中心に住まいに関連するあらゆるテキスタイルが集結した。同展は日本の他、イタリア、フランス、韓国、台湾、インドなど多くの国から記者を招聘した。2日目には、各国記者を集めて出展企業との会合も開かれた。多くの企業は米国含む欧米圏での取引を主とするが、中国本土と中東圏に期待する声が多く聞かれた。日本での取引を望む声も強く、あらたな調達先模索の選択肢となりえそうだ。

(長澤貴之)