旭川家具工業協同組合が主催する「Meet up Furniture Asahikawa2024」の会期中に開催される、第3回旭川木工技能競技大会の決勝が、2024年6月23日に旭川デザインセンターで開催された。
一昨年の「Meet up Furniture Asahikawa2022」において初めて開催された「旭川木工技能競技大会」は、今回が3回目の開催。旭川家具工業協同組合に属するメーカー(年齢制限なし)から約30名がエントリーし、厳しい予選を勝ち抜いた12名により決勝を開催した。限られた時間の中、繊細な手加工で生み出される精巧な仕口からは見るものを圧倒する「技術」を感じることができる。第1回大会および第2回大会は、ガージーカームワークスの山口智大選手が連覇を果たしていた。
前回と異なり、決勝戦の競技時間は10時30分から12時までの1時間30分と、30分延長された。競技時間を長くすることで、実際の家具製品の状態に近い段階まで競技課題を仕上げることができ、来場者がよりわかりやすく競技を体感できるようにしたようだ。なお、今回の競技課題はサイドテーブルで、選手はその脚を製作した。
開会宣言は、旭川家具工業組合の藤田哲也理事長が務めた。藤田理事長は、
「毎年、この6月の爽やかな時期に、旭川デザインウィークを行っています。Meet up Furniture Asahikawaはこのデザインセンターが主会場で、今年は3年に一度の国際家具デザインコンペティション旭川:IFDAを開催しています。今日は全てのイベントの最終日です。デザインの祭典と言われている旭川デザインウィークは、この“デザイン”を“技術技能”で形にし、製品にする。このことがなければ、デザインもプロダクトも形になりません。旭川のこの地域から、技能五輪国際大会に今年も日本代表を送り込みます。9月にフランスのリヨンで開かれる世界大会には、旭川から日本代表を9回連続、18年にわたって出し続けているという実績があります。このことをしっかりと市民の方にも関係者にも、日本全国の方にもお届けしたいということで、今日はオンラインでも配信しています。この後1時間半にわたるこの競技を、皆さんと一緒に応援して、旭川ナンバーワンの職人を決めていきたいとに思っています」
と語った。
審査員および競技の概要は、組合理事でものづくり・人材育成担当の木村亮三氏(ガージーカームワークス代表)が説明。その後、選手に向けて競技内容の詳細が発表され、競技にあたっての注意事項などが説明された。審査員は北海道立旭川高等技術専門学院の教員、元教員が務めた。
以下、競技の様子。
競技終了後、昼休憩を挟み、14時より表彰式・閉会式が行われた。
優勝者はガージーカームワークスの山口智大選手。第1回大会から3連覇を果たした。
2位はガージーカームワークスの傳里聡選手(昨年は3位入賞)。
3位は匠工芸の下平雅也選手が入賞した。
上位3名には賞状と賞金、そして今年の同大会に協賛している工機ホールディングス(ハイコーキ)の電動工具が贈呈された。
会場には、決勝に進んだ12名の選手の関係者を含め、多くの来場者が集まり、競技の進行を見守った。
なお、決勝進出者は、以下のとおり(敬称略)
荒瀬 響(WOW)、安藤哲平(ガージーカームワークス)、小野竜平(ウッドパーツ)、金井廣隆(ルートにし)、小亀弦(ガージーカームワークス)、下條恭平(ワカサ)、下平雅也 (匠工芸)、高橋誠弥(匠工芸)、高橋就宗(匠工芸)、傳里聡(ガージーカームワークス)、山口智大(ガージーカームワークス)、渡邊真知(カンディハウス)
(佐藤敬広)