あさひかわデザインウィーク 2024年6月15日~23日開催へ 3年に一度の国産家具デザインコンペIFDAも実施

旭川家具工業協同組合(北海道旭川市、藤田哲也理事長)は2024年3月13日、東京国際家具見本市(IFFT)の同組合出展ブースにおいて、あさひかわデザインウィーク(以下、ADW)に関するプレス発表会を開催した。プレス発表会ではADW期間中に開催される旭川家具の見本市「Meet up Furniture Asahikawa 2024」および、3年に一度開催し本年第12回目の開催を予定する「国際家具デザインコンペティション旭川(IFDA)」の説明も併せて行われた。

今年のADWは、2024年6月15日(土)から23日(日)までの9日間開催される。主催はあさひかわデザインウィーク実行委員会(北海道旭川市、渡辺直行委員長)。会期中は「まちなかキャンパス2024」をはじめ、IFDAなど様々なイベントが旭川地域で開かれる。


山田宏明氏(左)と石川俊祐氏(右)

プレス発表会では、ADWクリエイティブディレクターの山田宏明氏と、ADWプロデューサーの石川俊祐氏が、今回のADWのエッセンスに「3つのC」として、「コンテンツ」「コミュニケーション」「シビックプライド」を据えた経緯などを説明した。

「コンテンツ」では、生活を通して街自体がどのような方向を向いているのかを鑑みた上で、旭川地域で生活している住民などの生活者の参加を促すこと、「旭川」が生み出すデザインに対して理解を深めてもらうという考えのもと設定された。「コミュニケーション」は人物との交流をテーマに、より多くの産業の関係者に参画してもらうこと、「シビックプライド」は、ADWに参加することや、ADWの存在そのものが、クオリティオブライフの向上に寄与するよう目指していくことの意志を表している。


概要を説明する旭川家具工業協同組合の杉本専務理事

ADWに続き、IFDA開催についての説明が行われた。今回のIFDA2024は、審査委員長の藤本壮介氏(建築家)を筆頭に、廣村正彰氏(グラフィックデザイナー)、アン・ルイス・ソマー氏(デンマーク・デザインミュージアムデンマーク館長)、タッカー・ヴィーマイスター氏(アメリカ:インダストリアルデザイナー)、マイケル・ヤング氏(イギリス:インダストリアルデザイナー)の5名が審査を務める。今回は全世界から655点の応募があり、予備審査を経て15点が最終審査に残った。

今回のIFDAの特長は、最終審査において応募作品のデザイナーひとりひとりが、作品についてのプレゼンテーションを行う点が挙げられる。6月18日午前9時から作品プレゼンテーションを実施、その後本審査を経て、翌19日の15時から表彰式を開催。コンペの結果はこの表彰式で発表される。作品についての講評も表彰式で行う予定だ。なお、プレゼンテーションおよび表彰式はオンラインで配信を行うほか、入賞入選作品については6月19日から9月末まで、旭川デザインセンターで展示する。

国際家具デザインフェア旭川実行委員会 桑原義彦会長

IFDAを主催する国際家具デザインフェア旭川実行委員会の桑原義彦会長は「旭川に来ていただいた皆さま方にとって、十分に楽しんでいただけるコンペにしてあります。ひとりでも多くの方に来ていただき、旭川地域の産業を堪能していただければと思います」と述べた。


旭川家具工業協同組合 藤田哲也理事長

最後に、「Meet up Furniture Asahikawa 2024」の開催について、旭川家具工業協同組合の藤田理事長の挨拶ののち、ブランドディレクターを務める村田一樹氏がコンセプトを説明した。産地で展示会を開催する意味を、産地一体となって考え出した結果が「家具に出会う。産地で、会う」というコンセプト。産地旭川のものづくりについて、その現場で総合的に体感し、コミュニケーションをとる機会を創出することにフォーカスをあてた。今回もファクトリーツアーやレセプションなどが催されるほか、3回目の開催となる旭川木工技能競技大会2024も開催される。旭川家具の技術を肌で体感し、産地を訪れる意味と楽しさを実感できる展示会を目指し、着々と準備が進められている。

ブランドディレクターの村田一樹氏

旭川市は今年10月に、ユネスコのデザイン都市のサミット会議も開催を予定するなど、今年は海外からの来訪者も多く訪れ、地域としての注目度も高まることが予想される。今回のADWの一連の催事を通して、デザイン都市旭川と旭川家具ブランドの発展にも期待が高まる。