東京国際家具見本市(IFFT)2024が、2024年3月12日(火)から15日(金)にかけて東京ビッグサイト東展示棟7ホールで開催された。主催は一般社団法人日本家具産業振興会と日本経済新聞社。
今回のIFFTも、世界中から集まった家具メーカーおよびデザイナーによる様々な製品が展示された。このような製品を展示することにより、家具産業の発展とデザインの普及を訴求するという目的のもと実施。主催者の日本家具産業振興会は、2025年以降は最新トレンドやテクノロジーを取り入れた家具の展示を投じて、新たな価値を創造するというビジョンを立てている。
主催者企画展示では、「人と森がつくる、これからの暮らし」のインスタレーション展示も行われた。この企画展示は、人(技術・手仕事)、森(環境・木)、暮らし(デザイン・インテリア・家具)をテーマとし、環境に配慮した家具、木工技術を駆使した家具などを展示し、人と森がつくるこれからの暮らしを提案した。
このほかの企画展示「デザイナーズギャラリーSOON」と「アルチザン・ギャラリー」では、プロダクトデザインを手掛ける企業や教育機関などが出展。座面に畳を使用した作品など、空間の中でのアートの要素を強調したプロダクト各種が展示され、来場者も足を止めて各出展者の作品を眺める様子が見てとれた。
今回のIFFTでは、特別企画として、2023年に開催された技能五輪全国大会の優秀選手による家具製作デモンストレーションが行われた。技能五輪全国大会は、中央職業能力開発協会が実施する、幅広い職種を対象とする技能競技大会。開催初日と2日目は金賞を受賞した天童木工の石橋葵氏が、3日目と4日目は銀賞を受賞した飛驒産業の稲原匠氏が、家具製作のデモンストレーションを行った。会場内には作業の音が響き渡り、デモンストレーションエリアに多くの来場客がつめかけるなど、高い注目を集めた。
国内の主要なメーカーでは、愛知県からカリモク家具。岐阜県から飛驒産業とシラカワ。静岡県から起立木工、塩川光明堂。徳島県から冨士ファニチアが参加した。
産地組合は旭川家具工業協同組合と、飛騨木工連合会が出展。
今回のIFFTへの来場者数は、1日目が4845人、2日目が5536人、3日目が6057人、最終日が6703人で、開催期間の合計来場者数は2万3141人だった。昨年度はそれぞれ、5379人、5784人、6411人、6145人で、合計来場者は2万3719人だったため、前年比での総来場者は減少しているが、今年の開催は日を追うごとに来場者が増加した。出展社は、昨年と比較すると海外からの出展社が増え、特に中国からの出展が目立った。出展製品は、産地展で発表したものなどをIFFTに出品した企業が多くみられた。
出展者からは「同時開催展の建築・建材展やジャパンショップへ来た来場者が、その流れでIFFTのエリアにやってくるケースもあった」「建築設計事務所やコーディネーター、リース業の関係者などがブースに立ち寄った」「IFFTの向かいで同時開催展のリテールテックJAPANも行われている影響か、海外・アジアからの来場客も比較的多い印象だ」といった声が挙がっていた。海外からの来場者のような、新規顧客へのアプローチを行うことができた出展社も一定数あったようだ。
昨年と比較して、国際色が強くなったIFFT。国内外の数多くの出展社によるプロダクトが集まったが、今後の家具産業の振興にむけ、同展の発展に期待がかかる。