
アメリカ広葉樹輸出協会(AHEC)は7月10日に、岡山市のホテルグランヴィア岡山において「アメリカ広葉樹セミナーin岡山」、翌11日に福岡市のホテルオークラ福岡において「アメリカ広葉樹建築家セミナーin福岡」を開催した。
岡山地域では初のセミナー開催となり、岡山・備後地域の木材問屋と家具・木工メーカーから約40名が参加した。米国大使館農務部農務官のCraig Elliott氏の挨拶を皮切りに、アメリカ広葉樹輸出協会の国際プログラムマネージャー、トリップ・プライアー氏(Tripp Pryor)が「アメリカ広葉樹の合法性、持続可能性と環境への対応」、全米広葉樹製材協会主席等級検査官デイナ・スペサート氏(Dana Spessert)が「米国の広葉樹製材等級格付けと樹種別用途」、そして木材塗装研究会運営委員の長澤良一氏が「広葉樹の魅力を活かす塗装と塗料」についてそれぞれ講演した。

岡山セミナーの参加者からは、「安定供給可能な木材資源であるアメリカ広葉樹の森林管理や製材の等級について初めて知った」、「普段から使用しているアメリカ広葉樹製材についてより理解を深めるきっかけになった」などの意見が出た。AHECによると、この地域は小規模な家具・木工メーカーが多く家具・木工品には欠かせない塗装について沢山の質問があり、セミナー後のレセプションでも塗装の専門家である長澤氏へ絶え間なく質問があったという。

福岡市でのセミナーでは建築家とそのスタッフなど、約50名が参加した。上記の3名の講師に加え、千葉県八千代市の老人デイサービスセンター「52間の縁側」でグッドデザイン大賞、JIA日本建築大賞、日本建築賞を受賞した、建築家の山崎健太郎氏が講演した。医療や福祉分野の建築を数多く手がける山崎氏からは「出来事としての建築」をテーマに、これからの施設の在り方とも言える多様な人たちが関わり合いながら過ごせる居場所はどうやって作るのか、等が語られた。
AHECは引き続き、日本の木材・木工業界や建築家などに対してセミナー等を開催することにより、アメリカ広葉樹が安定供給可能な木材資源であることの周知を図るとしている。