ラグと家具・インテリアのオンライン販売を行うRUGHAUS(ラグハウス:東京都渋谷区、帯刀嘉晃代表)が、ユーザーの趣味や部屋の特徴に合わせた最適なソファを提案するコンシェルジュサービス、「ソファマスター by RUGHAUS」に取り組んでいる。
「ソファマスター by RUGHAUS」は、同社のコンシェルジュがユーザーのライフスタイルやインテリアの好み、空間の特徴を把握し、理想的なソファを提案するサービス。従来のインテリアコーディネートサービスでは、店舗に赴きサービスを受けるのが一般的で、提案される商品も店舗で扱っているものに限られており。満足できる商品が必ずしも見つかるわけではなく、異なる商品を複数の店舗で並行して検討する必要があったと同社。
新たに展開している「ソファマスター by RUGHAUS」は、ユーザーの「理想のリビング空間実現」のため、LINE上で横断的な商品提案を行う。これにより、ソファ選びの手間を大幅に削減できるとしている。LINEでの提案を踏まえながら、多数の選択肢から候補を絞り、実物を体感することができる店舗へと案内する。これによりオンラインの手軽さと、購入前の不安をオフラインで解消する。
一般的に、チェアなどと比較するとソファは単価が高いため、購入に慎重になりがちだ。ラグハウス代表の帯刀嘉晃氏は「ソファは屋内空間の主役だと思っており、部屋の印象を決めるものです。しかしながら、なかなかソファブランドは認知されていません。家具を購入する機会が引っ越しなど以外のタイミングであまりなく、ブランドはなかなか根付かないのです」と話す。このような背景を受け同氏は、ソファのショッピング体験をより簡単に行えるよう、ソファーマスターのサービス展開を決めたという。
「販売店に行くと、基本的にはその店舗で扱っているブランドしか知ることができず、結果的に様々な店舗を巡って、負担は大きくなるでしょう。ネットであれば横断的に調べられますが、しかしなかなか購入まで完結するのは難しいです。したがって、その中間が必要なのではないかと考えています。ネットで気軽に相談ができ、ブランド横断的に中立的な立場で、オンラインチャットなどでサポートする。このようなオンラインとオフラインのミックスが良いのではないかと考えました」と帯刀氏は語る。ソファ購入にあたり、安心感を与えるという意味で、オフラインも大切になるとし、オンライン相談とのバランスを大切にしたいと同氏は強調する。
ラグハウスは、インテリアの輸出入を手掛けるCashmere Groupの一社として、元々卸売りを手掛けていた部門から独立して立ち上がったという経緯がある。Cashmere Groupは2021年の創業で、当初はBtoBビジネスとして家具輸入を手掛けており、その中でラグの取り扱いも行っていた。昨年からラグのEC販売を開始し、その事業が軌道に乗ってきたことから、ラグハウスとしてこの4月に小売部門の分割を行ったという背景がある。
「ラグを購入される方は、引っ越し時期が多く、同じタイミング家具も探しているはずだと考えています。基本的にはラグハウスのWEBサイトの中で、様々な商材を扱っていきたいです。チェアやテーブルなど、当社オリジナルのものも扱っています」と帯刀氏は話す。海外のカラートレンドを反映したオリジナル家具なども好評だという。取り扱いブランドは約15ブランドほどで、今後順次拡大を予定している。
帯刀氏は「まずソファで納得したものを決めていただき、買っていただく。その後に、例えばラグやテーブルといったように、段階的に提案していきたいです。我々としては、 ソファやラグを販売していきたいということよりも、住空間を作っていきたいというところがゴール。そのためのピースとしてソファやラグがあるという認識です」と、今後の抱負を語る。
ソファの充実を図っている同社だが、もちろんメインのラグについてもラインナップを日々強化している。「やはり特色がないと、わざわざ自社のWEBサイトにユーザーはアクセスしていただけません。したがって、“ラグといえばこのWEBサイト”といったポジションをまず確立したいと考えています。そのような意味では、ラグが最も戦いやすいフィールドではないでしょうか」と帯刀氏。ECが出自ならではの取り組みで、提案力の強化を図っていく。
(佐藤敬広)