progetto81(東京都港区、武井総司代表)は2024年11月30日(土)より、 B&B Italia Tokyo | Maxalto Tokyoを新たに表参道・骨董通り(東京都港区南青山6-2-3)へ移転し、地上3階、地下1階の4フロアからなる旗艦店としてリロケーションオープンした。
これまでの外苑前のショールームは、1階と3階の2フロアを設けていたが、新店舗は以前を大きく上回る展示フロア総面積となった。1階および2階は、B&B Italiaのコレクションを集めたフロア。3階はB&B Italia Outdoorコレクションを常設展示。そして地下1階は、アントニオ・チッテリオ氏がクリエイティブディレクターを務めるMaxalto(マクサルト)コレクション専用のフロアとし、それぞれのフロアごとに世界観を構成している。
1階奥側は小上がりとしたことで、来店時の印象的な空間を演出している。内装の左官仕上げなどによって、本国イタリアのショールームの世界観を体現している。
1階入口すぐには、B&Bのアイコニックな存在である「Serie Up (セリエ アップ)」が置かれている。2022年の第27回コンパッソ・ドーロを受賞した同製品は、受賞記念の限定バージョン「コンパッソ・ドーロ・エディション」を500体のみ製作。ショールームでもこの限定モデルを展示している。
反対側には、B&Bで最も人気の高いソファ「Camaleonda(カマレオンダ)」を配している。
マリオ・ベリーニ氏デザインのこのソファに合わせるアイテムには小テーブルの「Spool」(ピエロ・リッソーニ氏デザイン)、壁面のシンプルなデザインが特長のストレージは、深澤直人氏デザインの「Tetrami」だ。
1970年に発表された「カマレオンダ」は、2020年に復刻版として、ステッチが施されたレザーおよびカーフヘアで作られたソフトなカバーを採用したモデルが投入されている。以降、それまで人気だったソファ「チャールズ」を上回るほどの評価を獲得し、日本市場および世界でも最も人気の高いソファとしてその地位を確立している。
脚にはイタリア・ベニスの木製水路標識「ブリッコレ」をリサイクルしたものが使用されている。細部のディティールを具現化する技術力が、B&Bの魅力の一つだ。
1階にはこのほか、ピエロ・リッソーニ氏デザインのソファ「Dambo」なども展示しているほか、モニカ・アルマーニ氏デザインの「Allure O’」テーブル、「Flair O’」チェアなどを組み合わせた空間提案も行っている。明るめのナチュラルなカラートーンのテーブルや、リラックス感のあるソファも好まれている傾向にある。
また、ブラックやグレーの色合いをブレンドした、質感のある生地も好まれている。ここに大理石などのテーブルを組み合わせることで、空間により奥行をもたらすことができる。
2階のフロアもB&B Italiaのコレクションを並べている。1階よりも広めの空間提案で、より大型のソファなどを配置。
ソファ「Noonu」、テーブル「Mera」「Cozy」を組み合わせた提案の存在感は圧巻だ。
1階はどちらかといえばナチュラルテイストの提案だが、2階では材にユーカリを用いたテーブル「Alex」など、シックな落ち着きある提案を主体としている。
「Camaleonda」も、英国のデザイナーであるステラ・マッカートニー氏とのコラボ限定モデルを2階で展示している。
昨今は製品単体のみならず、ナイトシーンなど、それぞれのシーン全体で使用するカーテンやラグ、照明など、一括で受注するケースもあるようだ。
3階は、B&Bのアウトドアコレクションが並ぶ。
もともと室内空間用だったものを、アウトドア仕様に変更したアイテムもラインナップ。インドアと変わらない快適性を保ちながら、屋外でも使用できる性能を兼ね備えている。
ラグジュアリーホテルにも納品事例が多数あるB&Bのアウトドアコレクションだが、室内空間用製品での高い品質基準、快適性とデザイン性を、アウトドア製品にも反映させており、室内空間にも配置できるような生地の質感なども特長だ。
昨今人気のブークレ生地を用いた製品もアウトドア用で展開。
3階は屋外テラスも備えており、デザインの魅力を実際に体感できる空間となっている。移転リニューアルにより、これまで以上にアウトドア用製品の提案も行いやすくなった。
地下階は、B&B Italiaがもつブランドの一つであるMaxalto(マクサルト)のコレクションを単独で展示。
同ブランドもラグジュアリーホテルに納品され話題を集めており、今後はB&B Italiaと運用を分け、Maxalto Tokyoとして展開していく。このため、地下階専用のエントランスも設けており、ブランドの独立性を高めながら世界観を提案する。
Maxaltoのアイテムはアントニオ・チッテリオ氏がデザインを手掛けており、シンプルさにエレガントさを纏うデザインが特長だ。
フロア全体の床や天井、壁面も、1階および2階のB&B Italiaブランドとは異なるテイストで表現。移転前までは、B&B Italiaブランドと同一のフロアでの提案だったが、今回新たに単独でブランドのフロアを設けたことで、空間全体でMaxaltoの世界観について、より細部まで表現することが可能となった。
アートピースのようなテーブル「Soleide」など、職人技によって生み出されるMaxaltoブランドの魅力が凝縮されたアイテムが並ぶ。
なお移転リニューアルに際し、店舗内の1階を除く各階に、個室商談スペースを設けている。移転前は1か所だった商談スペースを増やし、よりきめ細かな提案を図っていく。
昨今はフォーマルなフォルムよりも、柔らかな印象のリラックス感のあるアイテムがトレンドとしては強いとし、カラートレンドはグレー系やベージュ系がやはり空間に採り入れやすく、好まれるようだ。ただ、細かいニュアンスのカラーも増えているため、グレーも濃いものから薄いもの、ベージュもホワイトに近いものから濃いものまで多様なニーズがある。そのため同社でも、ソファに合わせるテーブルなどをカラーアクセントとして用いることができるよう、提案の幅をより充実させている。
ソファの形状も多角形などのデザインも採り入れるなど、ソファの上での様々な過ごし方を想定した製品開発が行われている。L字型なども人気だが、不規則な変形のソファも、様々なシチュエーションに対応できることから、ニーズがより高まってきているようだ。
同社は伝統的な人気アイテムもブラッシュアップするほか、昨今のトレンド・感性を反映した商品開発にも随時取り組んでいる。未来の定番アイテムに今後も期待が高まる。
(佐藤敬広)