家具インテリアリサイクル&リニュー協議会 第2回全体総会開催 廃スプリングマットレスの一般廃棄物広域認定取得

家具インテリアリサイクル&リニュー協議会(岡田贊三会長)が、第2回全体総会を2025年5月29日に開催した。会場はカリモク家具新横浜ショールーム。会員数48社中35社のうちウェブ参加32名、リアル参加48名、計80名が参加した。

協議会の岡田会長がビデオにて挨拶を行ったのち、各ワーキンググループ担当者から2024年度の活動報告および2025年度の活動計画案が報告された。

▽リソーシングWG(高田輝成TASK1リーダー):同WGの目標は、①リソーシング・ネットワークの構築②ゼロエミッションの高度化➂処理困難物の回収環境整備の3点。

①では、デジタルプラットフォームによる不要家具の回収・処理の合理化による回収率の向上に向けた実証実験を繰り返し行っている。②は不要家具の再資源化に向けた取り組み。➂では廃スプリングマットレス等のリサイクル環境整備のため、自治体との協調を通じて制度化を推進する。

これらの目標を事業化するため、昨年5月に一般社団法人家具インテリアリサイクル協会(以下、FIRA)を設立。廃スプリングマットレスの広域認定申請に向けて協議を進めてきたが、この認可を5月16日に得たことを発表した。これにより、自社製品以外のベッド・マットレスの引き取り、ベッドフレーム全般の回収、納品した車両での引き取り、合法的な料金徴収が可能となる。

廃スプリングマットレスの回収・処理実証実験については、2024年4月1日~2025年3月31日までの期間、アクタス、家具の大正堂、かねたや家具店、東京インテリア家具、ドリームベッドの5社が実験に参加し、年間で1万465枚のマットレス(マットレス重量は259トン、鉄資源は12.8トン)を回収した。

2025年度は、処理マットレスの増加に対応するべく、会員数の拡充や回収処理地域の拡大、地方自治体との連携を図っていく。特に、関東地域以外の事業者のルート拡大も課題であるとした。また、実証実験ルートから広域認定ルートへの変更を行うべく、環境省へ処理ルートの変更申請を行っていくことや、トレーサビリティの充実、輸送上の効率化を図るべく処理場の拡充などにも務める。このほか、産業廃棄物広域認定の取得にむけ、環境省との申請協議や、法人から回収するマットレス処理ルートの構築を図っていく。なおFIRA事業の認知拡大のため、ホームページも開設し運用している。

FIRAの会員数は2025年3月末時点で10社が参加しているが、2025年度は15社、26年度には20社へ規模を拡大することを目標としている。処理マットレス枚数は2025年度が1万8000枚、2026年度は2万4000枚を目標に掲げる。


▽長期愛用WG(榊原岳広リーダー):同WGは昨年度、修理事業としてカリモク家具において食堂椅子の修理を実施したほか、「お手入れガイド」の作成についても作成メンバー指名および原稿作成を選定してきた。

2025年度は、引き続き修理事業の構築に努めるほか、修理工房の見学会なども開催予定。直近では6月26日(木)にカリモク家具中部メンテナンスセンター、有限会社創縫の見学会を実施する。また、東京以外での全国各地域における修理提携業者の選定も行っていくとしたほか、個人情報保護方針や見積もり依頼書など各種書類整備、構築も図っていく。


▽ゼロカーボンWG(福村勉戦略MGT):気候変動対策について、業界としてどのような取り組みをしていくか、参加企業でその理解を深める。WGとして準備段階のステップから、2025年度は実際にサプライチェーンの上流・下流の算定方法から、温室効果ガスの削減目標設定および削減活動への行動を学んでいくため、セミナー等の開催を検討する。

▽再生デザインWG(中村孝之MGT):同WGのミッションは①リサイクル材の積極的活用、合法木材、認証材の徹底②資源循環に貢献する家具の環境性能評価、製品ガイドラインの検討➂家具に適した国産材の循環利用により生態系保全の推進――の3点。

昨年度は、メーカー各社の再生デザイン製品の現状調査・共有を行った。製品データ/エコデザイン評価から情報発信をおこなったうえで、エコデザイン価値評価指標の検討をすすめた。

2025年度は引き続き、リサイクル/リユース材の積極活用に関する検証や、木材資源などの自然資源の循環利用の推進のため、各社の再生デザイン製品の現状調査等を行ったうえで、サーキュラーインテリアの検討を図る。また、製品データ/エコデザイン評価についても、再生デザイン製品の分析を行いながらエコデザイン価値評価指標の検討を行う。


オルガテック東京2025に出展

家具インテリアリサイクル&リニュー協議会は、オルガテック東京2025への出展し、同見本市主催者である日本オフィス家具協会の中村雅行会長もブースに視察に訪れた。同協議会はこの8月以降、積水ハウスのゼロエミッションセンター視察会、日本オフィス家具協会(JOIFA)との情報交換会、日本ノボパン工業つくば工場の見学会などを今後予定している。なお、2月開催の前回会議以降、アンネルベッド、野村不動産、インテリアオフィスワン、キャンプサイトの4社が新たに同協議会に参加した。

閉会の挨拶は、同協議会の西弘信副会長が務めた。西副会長は「このような協議会、団体のポイントは、活動がなくては進まない。我々の責任を果たすため、協議会のメンバーや事務局のスタッフと一緒に進めてきた。今日一番のニュースは、一般廃棄物の広域認定の認可が5月16日におりたこと。これは我々にとって、非常に念願のものだった」と語った。同協会およびFIRAの事業取り組みの今後が注目される。