家具インテリアリサイクル&リニュー協議会 第3回全体会議開催

家具インテリアリサイクル&リニュー協議会(岡田贊三会長)が、第3回総会を2024年10月24日に開催した。会場はカリモク家具新横浜ショールーム。当日は32社、68名がリアル参加したほか、WEBでの参加会員も多数みられた。

総会議事前に、協議会発足にむけて尽力し、先日死去したカリモク家具の加藤知成相談役を偲び、参加者全員が黙祷した。その後、協議会の岡田会長が録画による挨拶を行い、それぞれの議題にそって進行した。

議題①はリソーシングWGの高田TASK1リーダーが説明。広域認定申請の進捗と事業計画の概要について述べた。同WGの目標は、①リソーシング・ネットワークの構築、②ゼロエミッションの高度化、➂処理困難物の回収環境整備について――の主に3点。

また、一般社団法人家具インテリアリサイクル協会(FIRA)とR&R協議会の関係についても同氏が説明した。FIRAは一般社団法人として、家具の再資源化と再利用を促進するため6つの事業に取り組む。内容は次のとおり。

①家具インテリア・廃スプリングマットレスの回収、分別及び分解による再資源化
②再資源化の効率的実現に向けた地域分散型ネットワークの構築およびデジタル化の推進
③家具インテリア・廃スプリングマットレスの地域分散型リサイクル事業
④家具インテリアの再利用及び再販売市場の構築
⑤再資源化の知識・ノウハウを家具インテリア業界に還元し、長く愛用できるものづくり推進
⑥自然環境の保全と社会環境の浄化を事業者及び消費者に啓蒙する

廃掃法特例制度である広域認定の申請進捗については、今年度末に一般廃棄物広域認定を取得予定。11月より産業廃棄物の広域認定申請手続きに移行する。今後については、2025年4月より、FIRAは一般消費者から不要ベッド類回収事業を開始予定。同年8月からは法人系の産廃ベッド類の回収事業についても開始予定とした。なお、広域認定取得後のFIRA事業範囲については、自社製品以外のベッド・マットレスの引き取り、ベッドフレーム全般の回収、納品運搬した車両(物流企業)での引き取りが可能とし、合法的な料金徴収を進めるとした。事業計画として、2025年度にベッド・マットレスの回収1万8000枚、26年は2万4000枚まで回収を増やす計画であることを述べた。

議題②は:長期愛用WGの榊原リーダーによって、活動進捗と実証実験に向けたプランおよび事業計画案が報告された。同WGの現在の活動状況としては、関東地区での実証実験の検討、修理工場見学会、メンテナンスや修理サポートが主な事業にあたる。実証実験は現在、配送料金表や修理価格表の整備を進めており、来年2月には修理業者の選定、そして3月には修理実施および実証実験の開始を見込んでいる。課題として榊原氏は、修理代金、配送料金、システム構築費用・時間について触れ、この課題を踏まえて関東地区での修理は関東地区で完結させるという動きにすること、一都三県で修理業者、修理まで完結することなどの構想を明らかにした。

議題③は、ゼロカーボンWGの立ち上げについて、同協議会の福村勉氏が準備ワーキング概要の報告を行った。当面の取り組みとしては、・デジタルプラットフォームにより物流効率化でのCO2削減、温室効果ガス排出の実態把握手法、指標の共有化(マイルストン設定)、進展するCO2削減技術、脱炭素技術や炭素固定化技術の業界でのオープンイノベーション等での研究推進と応用展開を進めるとした。同時に、今後の活動要点として、背景と理解へのステップアップ計画のため、3回程度会合を開きながら、活動の理解を共有後に、算定へ向けた実態把握と削減への手段を学んでいくことを明らかにした。

議題④は、再生デザインWGの立ち上げについて、中村孝之MGTが報告。本会合への準備、WGの発足について話した。同WGは、協議会のタスク1からタスク4につながるセクションとして、環境性能が評価された環境にやさしい家具の推進のため、リサイクル、リユース材の積極活用と検証や、木材資源等の循環利用推進、製品データやエコデザイン評価からの情報発信に取り組むとした。

議題⑤は「廃家具課題ディスカッション」解説と共有として、引き続き中村孝之戦略MGTが説明。同市は都市部における粗大ごみや退蔵物の課題について解説し、東京都の粗大ゴミに占める家具の内訳と処分について、粗大ゴミの28%が家具であること、高齢世帯の退蔵物として、捨てきれない家具や家電製品が問題になっていることについて語った。

同氏は「東京都のデータによると、家具配送専門業者なら、住宅内から礼儀正しく回収することができるのでは?という考えのもと、まずは適正所入り困難物に指定されているスプリングマットレスから取り組みを開始したい。マットレスの実態は輸入品の増加で、メーカー特定がしづらくなっている。国内メーカー個別の回収では資源循環が進まない」と、自治体でのマットレス回収に限界が来る可能性についても触れた。

議題⑥は「再資源化次号等高度化法案」の解説と共有及び大臣認定取得へ――をテーマに、福村戦略MGTが説明。新しい資本主義のグランドデザイン、実行計画2024改訂版の内容を踏まえたうえで、サーキュラーエコノミーへの移行について。資源循環市場の創出がポイントとなることについて述べた。
また、再資源化事業等高度化法案(通称)のポイントについては、廃棄物の分別と再資源化、製品分解の容易化、再生部品や再生材利用など、再資源化事業の高度化と資源循環産業の発展促進の必要性についてや、新たな法律により、家具全般のリサイクルについての可能性についても触れた。今後は新法に関連する環境奨励などの関連法案の公表をまって、申請への検討を開始するとした。

議題➆は「FIRA構成企業と第二グループ誘致について」をテーマに、同協議会の西弘信副会長が説明。FIRAの設立趣旨、事業目的、会費等について説明。幹部会員と正会員の違いについて、入会金は双方5万円、年会費は幹部会員が年72万円、正会員が年60万円とし、権利はFIRAの組織運営(管理は幹部のみ)を決定する権利が与えられること、資格は家具インテリアの製造販売に関連する事業を営む法人、幹部会員は社員としての責務を果たすことができる法人とした。なお、一般社団法人の・誘致会員はアクタス、カリモク家具、カンディハウス、フランスベッドが済。家具の大正堂、かねたや家具店、東京インテリア家具、ドリームベッドが手続き中。誘致会員第二陣としては、イケア、スリープセレクト、関家具、東京ベッド、日本ベッド製造など、主にベッド類の製造販売会員。

議題⑧では、日本オフィス家具協会(JOIFA)との連携について西副会長が説明。資源循環の部分でオフィス家具業界とも相似性があるとし、JOIFAの貫名英一専務理事が動画挨拶。「ベッドとマットレスのリサイクルのリサイクル内容を見て、活動が近しいと判断。定期的に情報交換しながらサーキュラーエコノミーを推進していきたい」と話した。

全議題の終了後、同協議会の池田一実幹事(フランスベッドホールディングス副社長)が挨拶し、閉会となった。同協会および一社の事業取り組みの今後が注目される。