家具インテリアR&R協議会 スプリングマットレスのリサイクル施設視察会を開催

家具インテリアR&R協議会(岡田贊三会長)は2024年8月2日に、スプリングマットレスリサイクル施設視察会を実施した。視察会には会員企業等から36名が参加したほか、来賓として環境省の環境再生・資源循環局廃棄物適正処理推進課、東京都環境科学研究所、総合地球環境学研究所、いなりコーポレーションが参加した。

今回の視察会の目的は、同協議会が掲げるタスク1リソーシングワーキンググループにおいて、昨年実施したスプリングマットレスリサイクル実証実験の現場を、当協議会会員に上記2 施設におけるリサイクル実態を視認、体感するとともに、協議会が目指す廃家具リサイクルの現実と困難さ、また重要度について、意義と理解度を高めるというもの。また今回は、行政、研究機関等の関係者も参加の上、不要家具の再利用化促進における課題について意見交換を図った。

前回の視察会と同様、参加者はTAKADA環境およびエコ計画寄居スペースを視察した。積替え保管施設のTAKADA環境は、関東圏の排出事業者からスプリングマットレスを収集、集約、選別、保管等を効率管理する機能を有する。ここでは障がい者支援団体への就労支援としてスプリングマットレスの手解体・分別作業を担わせ、高度な資源化を確立している。

中間処理施設のエコ計画寄居スペースでは、手解体・分別だけでは捌き切れないスプリングマットレスを受入れ、そのままのかたちで投入できる大型スプリングマットレス破砕機を用いている。鉄と布・ウレタン等の繊維くずを自動選別する事によって、鉄資源化と固形燃料化リサイクルを短時間で効率的に行っている。

この寄居エコスペースには木くず破砕機、焼却施設2基など、様々な施設を保有しており、今後、家具の広域リサイクル認定が認められた際には利活用範囲の拡張が望める施設であることを現認できたと同協議会。なお、群馬県には最終処分(埋立)場も所有している。なお、エコ計画は群馬県高崎市に森林を有しており、CO2吸収量クレジットを発行するフォレストック認定制度に認定されている。

視察後は、参加者およびエコ計画のスタッフも交え、協議会で話題提供として作成した「家具インテリア業界垂直連携(製造、販売、物流)による資源循環の取り組みと課題」の資料をもとにディスカッションを行った。自治体が回収する粗大ごみの約3割が家具であること、その多くが焼却、埋め立て処分される現状から、再資源化への取り組みを推し進める必要があることを共有し、各々より意見交換が行われた。

同協議会の西弘信副会長は、当日に第五次循環型社会形成推進基本計画が閣議決定されたことに触れた上で、事業者間連携によるライフサイクル全体での資源循環の実現に向けて活動への参画を呼び掛けた。