マルニ木工(広島市佐伯区、山中洋社長)は、国産材の価値再定義と家具技術の拡張を掲げ、半ドーム型の新作サウナ「kupu sauna(クプ サウナ)」を発表した。2025年9月6~9日に伊勢丹新宿店で先行イベント、10月16日~11月9日に直営拠点のmaruni tokyoでお披露目イベントを実施する。製品は奈良・吉野のヒノキを用い、国産バレルサウナのを手掛けるONE SAUNA(運営:Libertyship)と協業。プロダクトデザイナーの熊野亘氏が意匠・構造を手掛けた。
同社は1928年の創業以来、広葉樹家具を中心に「木とともに生きる」を掲げてきたが、近年の北米・欧州材の高騰を背景に、国産針葉樹の活用に舵を切る。本件はその象徴プロジェクトで、ヒノキの香気・触感・断熱性を生かしつつ、家具メーカーならではの精緻な木組みと意匠で“住まいに馴染むサウナ”を狙った。名称の“kupu”はフィンランド語で「ドーム/覆うもの」を意味し、その通り、人を包み熱と蒸気を効率循環させる半円筒フォルムを採る。

構造は伝統的バレルサウナの機能を踏襲しながら、マルニ木工が培った木工ノウハウを導入。底板スリットに側板を一枚ずつはめ込む工法で気密性と剛性を両立させ、温度ムラを抑える。熱が上部に滞留する特性を踏まえ、上下段ベンチの選択で利用者の体調や好みに応じた“自分の温度帯”を作れるのも特徴だ。端正なハーフドームはデッドスペースを生みにくく、壁付け設置やモジュール連結にも対応。下段ベンチは屋外で単体使用できるなど、家具的な可搬性と拡張性を備える。
素材は吉野ヒノキの無塗装仕上げ。欧州サウナ材として一般的なアスペンに近い性質とされ、程よい硬さと軽さ、経年で増す美観が評価された。国産材の活用による林業循環への寄与も意識し、“地産地消サウナ”を掲げるONE SAUNAの知見を吸収。熱・蒸気の流路設計や体験設計、屋外仕様の耐候対策など、同ブランドが各地で蓄積したノウハウが随所に生かされている。
基本仕様はW1,920×D2,000×H2,240mm、電気式ヒーター(helo「Hanako」200V・単相/三相)を標準搭載。固定式ベンチ、大小の移動式ベンチ、ヒーターガード、遮熱板、コートハンガー、温度計を備える。価格は4,455,000円(本体4,050,000円、電気ヒーター含む)。配送・施工費は660,000円~で、設置条件と電気工事の有無により変動する。オプションにIoTサウナコントローラーや屋外対応(ルーフィング仕様/テント張り仕様)を用意する。

販売・プロモーションは、百貨店での先行展示で顧客接点を創出し、秋のデザインイベント期にmaruni tokyoで継続訴求する二段構え。家具の審美と入浴設備の機能を横断する提案として、ハイエンド住宅の内装刷新、プライベートサウナ導入を検討する別荘・宿泊施設、スパのリニューアル案件など、ラグジュアリー市場の投資需要を取り込む構えだ。輸入材の価格・納期変動が続くなか、国産材×国内生産で品質と供給の安定性を打ち出し、林業・地域産業との連携を伴う“ローカル発のウェルネス”を具体化する試みとしても注目される。

先行イベントは伊勢丹新宿店本館5階「ザ・ステージ#5」で9月6日(土)~9日(火)に実施。お披露目はmaruni tokyo(東京都中央区東日本橋)で10月16日(木)~11月9日(日)。ELLEDECOR DESIGN WALK 2025およびJAPAN FURNITURE SHOW by IFFT 2025の参加企画として展開し、体験を通じて“木とともに生きる”新しい整いのかたちを訴求していく。





