マルニ木工 日本橋三越本店で「おしゃべりな木の椅子たち」開催 個性的な木目の「HIROSHIMA」アームチェア30脚が一堂に 10月18日~11月7日

 マルニ木工(広島市佐伯区、山中洋社長)は、2023年10月18日(水)~11月7日(火)にかけて、日本橋三越本店 本館5階の特設エリアで「おしゃべりな木の椅子たち」を開催している。同イベントはマルニ木工と三越伊勢丹がコラボレーション。今年のG7広島サミットでも使用されて話題となったマルニ木工の「HIROSHIMA」アームチェア(深澤直人氏デザイン)の中から、三越日本橋本店の家具インテリア部門バイヤーである山浦勇樹氏が特別にセレクトした個性豊かな木目のHIROSHIMAアームチェアを30脚を展示販売する企画だ。

 特設会場の日本橋三越本店 本館5階には、30脚の「HIROSHIMA」アームチェアがずらりとならぶ。企画のきっかけは、山浦氏がマルニ木工の工場を訪れた際に、「木が本来持っているような個性や表情をもっと活かすことができたら」と考えたことが契機となった。三越は今年で創業350周年を迎えたが、それを記念した家具インテリアのイベントの企画として、日本橋三越本店でも取り扱いのあるマルニ木工とコラボレーションし、今回の開催へと至った。
 「それぞれのチェアは、ひとつ一つがどれも異なる表情をしています。ここに揃ったチェアは”この世に一脚にしかない”、特別な個性のあるものであり、当店で選んでいただける価値がある一品だと思います」と山浦氏は話す。

 マルニ木工は、基本的には受注生産の体制をとっているため、買い手は通常では木目を選んで購入することはできない。今回の「おしゃべりな木の椅子たち」では、通常では販売されないマルニ木工の厳しいクオリティチェックには届かない個性的な表情のアイテムを販売しているが、その分それぞれのチェアには、個性的な入皮や節などの木目が際立って表れている。規格外のアイテムではあるが、使用において強度面の問題は全くない。

 山浦氏は「人と一緒で、木にもそれぞれの個性があり、そこから生み出されるチェアにもまた、いろいろな表情が生まれるといった個性があります。一つひとつのアイテムに個性的な表情が表れているので、じっくりとお客様にはお好みのアイテムを選んでいただければ嬉しいです」と話す。30脚が一堂に会する姿は圧巻だ。なお、特別展示販売の30脚は、通常仕様の「HIROSHIMA」アームチェアと価格は同じ設定となる。

 展示されている30脚の一つひとつに、マルニ木工の職人からの木目についてコメントが付けられており、製作者の想いが伝わる。

 同イベントでは「HIROSHIMA」アームチェアに使用される部材の展示も行い、入り皮や金筋、節などの説明を明記している。木の個性にはどのような要素があるのかという点をわかりやすくするための用意だ。「綺麗で規格のそろっているものももちろん大切ではあるのですが、普段では使用されないような材を活かして作られた個性あるチェアというものも理解していただく、そのような啓蒙活動もしていきたいと考えています。木は、植えてから70年、100年経って、ようやくこのように製品ができるようになるまでに育ちます。やはりその資源は大切にしていきたいです」と、山浦氏は思いを語る。

 マルニ木工について山浦氏は「こだわりの強いメーカーさんだと思います。工場を見学した際に思ったのですが、この背板を作るために、あれだけの大きな材を削り出されて作られていました。プロダクトに対するプライド、そしてそれを一気通貫で製作されているのは、大きな強みだと思います」と話す。これからの時代は”なんでもできる”よりも”何ができるか”の要素に、より重きが置かれるようになってくるのではないかと同氏は分析。そのうえでも、マルニ木工の取り組みについても期待を寄せているようだ。

 山浦氏は「社会へ啓蒙していくことは、我々リテールの立場としての役割だと考えています。”サステナビリティ”と簡単に言葉だけで済ますのではなく、それをいかに実際に行動に移せるのかということは、リテールの責任だと捉えています」と語る。三越伊勢丹では、社会へメッセージを伝えるため、様々なメーカーと協力しながら仕掛けづくりに取り組んでいく。


 なお、マルニ木工では、三越創業350周年に合わせた限定商品を展示中。同社のラグジュアリーシリーズである「ブリタニア」の限定アイテムを展示販売している。

 美しいローズウッド突板、イタリア・ベネチアのファブリック「RUBELLI(ルベリ)」、「箔一」の金箔を使用した格調高い「ブリタニア」シリーズの限定モデルは、日本橋三越本店限定での取り扱いだ。

(佐藤敬広)

https://www.mistore.jp/store/nihombashi.html